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他にないオリジナル創作料理を看板に「変化」「進化」を実践する店づくり 永

印刷ページ表示 更新日:2023年3月29日更新

他にないオリジナル創作料理を看板に「変化」「進化」を実践する店づくり 永

金沢方面から内灘町に向かい、金沢医科大学病院正面の交差点を右折し、すぐにまた右折する坂道を下りていくと、河北潟の水面が見えてくる。坂を下りきると遠くの山々の稜線と河北潟が織りなす、リゾート地に来たような錯覚さえ覚える美しく広大な風景が広がる。その絶景を見渡せる最高のロケーションに店を構えるのが、創作料理が人気のレストラン「永(えい)」。家族で店を切り盛りする代表の福永亜弥さんにお話を伺った。

 

はじまりは手作りパンのお裾分け

亜弥さんは京都で生まれ育った。両親をはじめ親戚がいろんな料理店を営む家系に生まれたこともあり、美味しい料理を食べる機会に恵まれた環境で育ち、子どもの頃からの食育で舌が肥え、料理を作るセンスも自ずと備わる。平成13年に父親が石川で仕事をすることになり、翌年、母と祖母が石川に引っ越し、数年遅れて亜弥さんも石川に来ることに。石川に来てから、亜弥さんはAYaの芸名で歌手活動をし、テレビにも出演するなど芸能活動をしばらくしていた中で、声質の良さからナレーターの仕事を誘われ、オーディションに合格。以来ラジオ番組出演やテレビCMのナレーションなど、業界では知られる存在に。そんな仕事の傍ら、趣味の一つである手作りパンを近所にお裾分けしていたところ、美味しいパンが評判に。やがて販売して欲しいとの声が多く聞かれるようになり、2018年10月に手作りパンの店をオープンする。それが今日の「永」の原点。

手づくりパン 美味しいパンが評判に 手づくりパンが並ぶ

 

お客様の声に応えて、レストランに進化

手作りパンのラインナップの中で、パンと組み合わせる亜弥さんの手作り総菜も好評で、サービスでスープも提供していたところ、パンも総菜もスープも美味しいからパンだけでなくランチもやって欲しいとの声が高まり、パン屋を始めて2か月足らずでランチを提供するレストランへと進化。やがてディナーも始めるようになると、パンを作る時間が取れなくなり、間もなくしてパンはやめることに。レストランを始めた頃は、近所の主婦が主な客層で、平日・休日を問わずほぼ連日満席の賑わい。変化・進化をコンセプトとしていたことから、店内のレイアウトも頻繁に変え、お客様が来店するたびに、「あれ、前来た時と何か違う」という変化を感じてもらうことも亜弥さんの楽しみ。数あるメニューはすべて亜弥さんの経験とセンスと閃きから生まれる。なかでもセロリが苦手のお客さんが、「これなら食べられるし美味しい」と口を揃えて絶賛するのが、『セロリ鶏ハムのクリームチーズあえ』。コロナ禍になって入手が難しくなった食材や高騰している野菜など、コストアップしていても、手に入る野菜でいかに美味しく、いかに彩りよく、そして何よりも美味しい料理を作るか、まさに腕の見せ所。

レンチを提供するレストランに 永の店内の様子

 

予期せぬコロナ禍でさらなる変化・進化

コロナ禍になって人に会えない状況になって客足が止まる。オープン当初から千円ランチを提供し、近所の年配の方が孫や子供と一緒に来店することが多かったが、コロナ禍になり年配客が外出を控え来なくなる。亜弥さんの家族も持病があることから、コロナが何なのかも不明の時期は、店を閉めて入口のところでテイクアウトの日替わり弁当の販売を行っていた。当時、テイクアウトの他店のお弁当は安くても800円以上していたが、コロナ禍になってそれまでパートで働いていた人や、男性でも失業した人が想像以上に多く、800円以上するお弁当は高くて家族全員の分を買えないとの声を耳にし、赤字覚悟の600円でテイクアウトの特別弁当を販売してお客様から喜ばれる(現在は販売終了)。低価格であってもボリュームたっぷりの美味しい料理を盛り付けて沢山食べてもらいたいと大サービス。多い時は日に100個以上を販売したという。それに続いてテイクアウトのオードブルを販売して欲しいとの声を受け、お店自慢の料理盛りだくさんのオードブルも人気商品に(現在のメニューはホームページ内テイクアウトメニューを参照)。

爽やかレモンライス弁当 特製ビーフシチューとミニ生ハムサラダ 自家製ローストビーフの手まり寿司弁当

 

コロナ対応でまたまた進化・変化

コロナ禍になって、自分たちも消毒やマスク着用を徹底したことは言うまでもないが、店内の衛生管理や感染予防対策を重視されるお客様も多くなったことから、コロナ禍当初のホームページには、アルコール消毒やマスク着用など、事細かな指示を記載していた。「細か過ぎると思われるぐらい明記しておかないと、マナーに関する認識レベルは十人十色のため、トラブルやリスクを避けるためです。と同時に、ここまで細かく書いてあるからこの店なら安心して行けると言って下さるお客様も多くいました。」と振り返る。コロナ禍も3年目になり、いろんな規制が緩和されており、徐々にお客様が戻ってきている。

永のご利用案内 永の店内の様子

 

美味しい料理に欠かせないお酒の提供手法も進化

現在は、ランチは予約推奨、ディナーは完全予約制で通常営業。オリジナル創作料理を味わう時に欠かせないのが、相乗効果で料理をさらに美味しくするお酒。「永」では、自分でお酒を注ぐ、自分でお酒を作る「セルフ呑み放題」と銘打ったユニークなサービス企画を実施中。ビールやウイスキーだけでなく、店内の棚に並ぶすべてのお酒が対象。ちょい呑みプラン(45分)1000円(税込)、60分1200円(税込)、90分1800円(税込)、120分2400円(税込)、150分3000円(税込)、180分3600円(税込)とリーズナブルな価格設定。さらに4人以上のグループの場合は、フリータイム2200円(税込)と超お得。酒類の提供価格も一般的な飲食店より割安な価格設定で、左党にはありがたいお店。

お酒の数々 セルフ飲み放題 セルフ飲み放題料金プラン

 

フルサービスからセルフサービスに変化

料理を提供する側としては、美味しい料理をできるだけたくさん食べてもらいたいとの思いで、どちらかと言えば大盛りに近いサービスをしていたところ、お客様から、「こんなにたくさん食べられない」と言う声や「もっとたくさん食べたい」という両極端な意見が聞かれるように。そこで、当初は各テーブルに1皿ずつ料理を運んでサービスしていたが、家族だけでやる形になったのと同時に、メイン以外は食べたい量だけ食べてもらえるビュッフェ形式に変化させる。これによって人それぞれ食べられる量が異なる不満問題の解消と食材ロスを極力減らすことの一石二鳥の解決につながる提供方法に進化。こうしたことで、自分の料理がまだ出てこないとイライラすることもなくなり、優先予約と言って予約時にメイン料理も予約しておくと、例え満席の時でも自分のメイン料理が優先的に提供されるサービスも導入。ビュッフェ形式にしたことで、店側の労働負荷(ムダ・ムリ)が大幅に軽減され、お客様も店もウィンウィン。

店内の様子 永の料理の数々

 

お客様も店側も居心地よい店に進化

取材に伺った際、最初に驚いたのは、店内にアナウンスが流れていたこと。「ただ今のお時間15時をもちまして閉店とさせていただきます。お帰りの際はすべての食器のご返却をお願いいたします・・・」といった具合。フードコートのような大型施設ならいざ知らず、この規模の店内なら、お客様のテーブルを回って声掛けすればいいように思う。実は当初はそのやり方でやっていたそうだが、閉店時間になってもなかなか帰らないお客様もいれば、話が弾んで申し訳なさそうにしているお客様も。そうなるとお互いに申し訳ない気持ちになる。そこで、店内に一斉にアナウンスを流す現在の手法に切り替えたところ、店のスタッフから言われる場合と異なり、アナウンスの声であれば角が立たない上に、お客様もアナウンスに促されて立ち上がってくれるようになったという。そのおかげで、休憩時間も取れるようになり業務の効率化にも貢献。確かに店の人から言われるのと異なり、店内に響き渡るアナウンスの声には逆らえない。見事な進化。

店内の様子 店内の雰囲気

 

永の店名に思いを込める

自身の名前の中にある「永」は、永字八法と言われる書道の筆づかいの基本となる「止め」「払い」など八通りの筆法が含まれている文字。八は日本では末広がりと言われ縁起がいい。カタカナや横文字の店名ではなく、日本らしい名前にしたいとの思いもあって、自身の名前にある「永」一文字に決める。繁盛店になるために必要なさまざまな要素に磨きをかけ、川の流れのようにその人気・評判が広がっていき、文字通り永く商いが続いて繫栄していく、そんな思いを自らに言い聞かせながら日々邁進中。コロナ禍で思ってもみなかった苦労も多かったことと思うが、その苦労を経験できたおかげで、新たな発見や、さらなる変化・進化を遂げてきているのも事実。他では味わえない斬新で美味しい創作料理を看板に、さらなる変化・進化をお客様と共に楽しみながら、「永」ファンの輪を大きく広げていってもらいたい。

福永 亜弥さん 永のお店の外観

 

会社概要

店名
代表 福永 亜弥
住所 河北郡内灘町大学2-280
電話 080-1953-3412
URL eieieieisandwich.jimdofree.com