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富来で愛された豆腐店おかみが一念発起し、おからドーナツの移動販売に転身! サンライズ。ドーナツ

印刷ページ表示 更新日:2023年2月16日更新

サンライズ。ドーナツ

富来で愛された豆腐店おかみが一念発起し、おからドーナツの移動販売に転身! サンライズ。ドーナツ

日本一長いベンチで有名な能登の景勝地増穂浦。ここは、県内でもおめでたい地名で知られる富が来る町旧富来町。富来地頭町商店街で、かつて地元の人たちに愛された高橋豆腐店。今も建物に看板は残っているが、現在は豆腐店ではなく、おからドーナツの移動販売で人気の「サンライズ。ドーナツ」ならびに「豆三昧とっかいっつぁ」の拠点に生まれ変わっている。高橋豆腐店にどんな出来事があったのか、代表の高橋外世美さんにお話を伺った。

 

悲しい出来事を乗り越えて

両親と若夫婦4人で力を合わせ順風満帆の商いをしていた高橋豆腐店に遡ること16年前、激震が走る。それは、二代目で外世美さんのご主人が、不慮の病のため他界されたことだった。大黒柱を失った両親と外世美さんは自分たちだけでは、豆腐づくりの重労働を続けることは難しく、これからどうやっていったものかと不安な思いに苛まれる日々を送った。そんな時、京都の大学に行っていた娘から「京都の錦市場に豆乳ドーナツを販売している人気店があるから・・」と連れられて食べに行った。思っていた以上に美味しく、その店には行列ができていた。これなら自分にもできるかもしれない。真っ暗だった前途に一筋の光明が差し込んだ瞬間だ。

高橋豆腐店 富来納豆 

 

おからドーナツで新たな出発

豆腐作りはお手の物でも、豆乳やおからを使ったドーナツづくりは素人同然。帰ってくると早速、知り合いの機械商社に豆乳ドーナツ製造機を問い合わせ、即注文する。ところが、豆乳ドーナツを作るつもりでいたのに、届いた機械はおからドーナツの製造機。しかも東京からその機械メーカーの職人が、白衣を着て製造法の指導にわざわざ富来の店まで来てくれたことから、おからドーナツを作ることにした。おから・小麦粉・豆乳を混ぜる配合バランスを何度も何度も試行錯誤しながら、納得できる配合バランスを見出し、ようやく商品として販売できるおからドーナツの完成にこぎつける。当初は販売するのではなく、近所の人に配っていた。そんな中、スーパーの店長に試食してもらったところ、「美味しいから、うちの店に揚げたてのおからドーナツを並べて販売して欲しい。」となり、本格販売がスタートする。物珍しさと揚げたての美味しさで、陳列した直後から売り切れ、人気商品に。そのスーパーのイベントの際、フライヤーを車に積んで行き、揚げたてを販売したところ飛ぶように売れ、おからドーナツの販売でやっていくことを決意する。それがきっかけとなり、地元でイベントがあると声がかかり、出店する機会が増え始める。ただ、毎回フライヤーを車に載せて運ぶのは、女手では重労働で大変なことから、キッチンカーが欲しいと思うように。早速、調べてみると、軽自動車にフライヤーや調理台等々を装備したキッチンカーは450万円あまりすることが分かり、どうしたものか悩みに悩んだ末、遊びに行くために買うのではなく、この車で稼ぐための投資だからと吹っ切れ、思い切って購入する。

  サンライズ。ドーナツのキッチンカー おからドーナツ

 

移動販売車を購入し、県内各地へ

移動販売をスタートした15年前は、午前中に豆腐を作り、午後からスーパーの前でドーナツを移動販売する日々。当時はスーパーも賑わっていたのと、揚げたてドーナツが珍しいこともあって、午後だけで30人~40人ぐらいは買ってくれたという。そのうち、評判を聞きつけた隣町のスーパーからも声がかかり、移動販売先が七尾、羽咋、津幡と次第に広がり、今は月曜日から金曜日まで、県内9か所で移動販売を行っている。金沢市内のイベントにも声がかかると出店するまでの人気ショップに。初代のキッチンカーは10年あまり愛用し、走行距離も17万キロを超え、コロナ禍になったタイミングで廃車。現在は二代目のキッチンカーと三代目のキッチンカーの2台体制で、従業員と外世美さんが移動販売している。 

 

オリジナルメニューも充実

メニューも当初はリングのおからドーナツだけだったが、いつ来ても同じものではお客さんも飽きるため、スティック状やボール状など数種類のバリエーションを増やし、単品だけでなく、セット販売も始めたことで、各地の移動販売の場所ごとに固定客ができるまでに地域に馴染んできている。新しい顧客開拓の一助に、ホームページのクーポンをプリントするか、スマートフォンでクーポンページの画面を提示することで、おからドーナツを1個無料サービス中。無料のドーナツを試食し、ついで買いしてくれるお客さんもいて、なかなか好評とのこと。平日で40~50人、休日で100人前後、大型イベントになると200~300人が買い求める。

青見出しMenu

おからドーナツ    1個  100円

なかよしセット 4種11個  500円

サンライズセット4種 7個  300円

ボールおからドーナツ 1個   60円

ちびっこドーナツ  12個  200円

ばくだんドーナツ   1個  100円

あんドーナツ     1個  100円

チュロス       1本  250円

なかよしセット 4種 ボールおからドーナツ あんドーナツ チュロス ばくだんドーナツ

 

豆腐店の店舗をリニューアルし、「豆三昧とっかいっつぁ」を開店

コロナ禍になって移動販売も苦戦していることから、地元の固定客を相手に商売することを思い立ち、豆腐店だった店頭をコロナ禍の補助金を活用して令和4年春にリニューアルし、「豆三昧とっかいっつぁ」の店名で、ランチの販売とテイクアウトのお弁当の販売を始める。いざオープンしたものの、過疎化と高齢化が進んでいる商店街では、思ったほどの売上が上がらない厳しい状況とのこと。「とっかいっつぁ」というのは高橋豆腐店の昔からの屋号。取材時は寒風吹き抜ける冬とあって、ほとんど出歩く人の姿を見かけない時期だったが、暖かくなってきたら観光客も来るようになることから、春から夏にかけて、店舗での食事提供を再開する予定。

青見出しMenu

・特製ハンバーグランチ(コーヒー付)1000円

鶏肉と大豆ミート、つなぎはおから使用のヘルシーハンバーグ

・おっちやん豆腐の厚揚げランチ(コーヒー付)1000円

・テイクアウト 特製ハンバーグ弁当  700円

・豆スイーツ

おからマフィン、豆乳チーズケーキ、くろ豆プリン、豆乳パンケーキ

・お惣菜

黒豆納豆(大粒の黒豆がうまい!)、おからコロッケ

特製ハンバーグランチ おっちやん豆腐の厚揚げランチ テイクアウト 特製ハンバーグ弁当

おからマフィン くろ豆プリン 豆乳チーズケーキ おからコロッケ

 

移動販売車と店舗の2本柱で邁進

コロナ禍になって大型イベントが中止になったことで売上が減少していた上に、近年はいろんな商品を販売するキッチンカーが増え、そうした移動販売が能登地区のスーパーやドラッグストアの店頭にも来るようになり、移動販売車同志の設置場所の取り合いが激化。お客さんが分散するようになり、売上が下降気味にあることは否めない。移動販売を始めた15年前はわずか十数台だった移動販売車が、いまは125台に急増。コロナ禍が終息した時点で、移動販売車を1台に集約し、豆三昧とっかいっつぁの店舗でのランチ提供と移動販売の2本柱の商いにシフトしたいと考えている。店舗では店内飲食と販売だけでなく、高齢者が多い地域のため、お弁当や総菜の配達も検討中。これからも外世美さんの愛情いっぱいのおからドーナツに富来の魅力もプラスし、県内各地に笑顔の輪を届けてもらいたい。

高橋 外世美さん 「豆三昧 とっかいっつぁ」店内の様子 ​
    高橋 外世美さん

 

会社概要

店名 サンライズ。ドーナツ
​豆三昧 とっかいっつぁ
代表 高橋 外世美
住所 羽咋郡志賀町富来地頭町6-173
電話 0767-42-0158
URL https://sunrise-donut.com