ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 店ナビいしかわ > 刺繍、プリント、ワッペン etc. お客様に喜ばれるものづくり一筋に41年 (有)トム工芸

本文

刺繍、プリント、ワッペン etc. お客様に喜ばれるものづくり一筋に41年 (有)トム工芸

印刷ページ表示 更新日:2023年11月20日更新

有限会社トム工芸

刺繍、プリント、ワッペン etc. お客様に喜ばれるものづくり一筋に41年 (有)トム工芸

小学校、中学校、高校と、体操服やクラブ活動のユニフォームに入っていた学校名や氏名のプリントは誰しも馴染みがある。当時は、それをどこで付けているのか考えもしなかった。社会人になっても、会社の制服や作業服に社名と氏名の刺繍やプリントが入っている企業が少なくない。そんな自社の社名や社員の氏名を安価に、手軽に制作してくれる企業が、金沢市にある(有)トム工芸だ。オリジナルのワッペン、刺繍、プリントの世界では、石川県を代表する個性的な企業でもある。同社代表取締役社長の水野玲子さんにお話を伺った。

 

刺繍・プリントの分野で確固たる地位を確立

トム工芸は、昭和57年に水野社長の両親が、当時としては画期的なコンピュータミシンのための刺繍データを製作する会社として創業。現代表の玲子さんは、ご主人が転勤族だったため10年余り金沢を離れていたが、遡ること十数年前に父親が高齢になったため、実家に戻って手伝うことに。「当時は、経営状態も芳しくなく、その頃からISICOに様々な相談に乗ってもらい、経営基盤強化に向けてのアドバイスを受け、何とか立て直すことができました。」と述懐する。コンピュータミシンが目覚ましい進化を遂げていることもあり、データを入れれば忠実に再現してくれるとは言うものの、アパレル商品の繊細で多様な刺繍データを製作する知識・経験・ノウハウを駆使した同社のデータは、商品の仕上がりが美しいと高い評価を得ており、ウエアへの刺繍加工はもとより、身の回りの様々なものにその用途を広げてきている。同時並行してスポーツマーキングの分野にも業容を広げ、県内外の多くの学校やスポーツチームのユニフォーム等への学校名やチーム名を施すマーキング加工も大きな柱になっている。主要な顧客はスポーツ用品店やユニフォーム販売店であるが、中には大手スポーツブランドから直接注文が入るケースも増え、同社の商品に対する高い評価が伝播している証左でもある。

     

 

プロの視点からの提案、一貫生産体制、品質保証で差別化

お客様がどんな仕上がりを望んでいるのか、丁寧に話を聞くことから始まり、加工を施す商品の素材によって、どのような加工方法が適しているのかをプロの視点からアドバイスして納得してもらうことが第一段階。可能な限りお客様の希望に沿える方法を模索し、「できません」は言わないことをモットーにしている。二つ目は、お客様との打ち合わせから始まり、見積作成、試作データの作成、出来上がった試作品をお客様に見てもらい、満足できない場合は微修正して再提案、満足いただけた場合は商品を製作し、完成品をお客様に納品するまで、自社内の一貫生産体制で対応している。三つ目は、商品の仕上がりに満足していただけるよう、「お客様に喜ばれるものづくり」をモットーに、データ作成には時間をかけて丁寧に対応。とりわけ刺繍は、素材に合わせて最適な糸の選別、縫い方、刺繍する糸の密度をデザインによって変更するなど、サンプルを作成し、仕上がりを確認してもらいながら、微調整を繰り返し、より完成度の高い商品を納めている。刺繍や縫製をするのはコンピュータミシンではあるが、そのデータが出来上がるまでの、準備工程における様々な作業における同社の経験やノウハウが他社との大きな違いで、コンピュータミシンさえあれば誰にでもできるものではない。

作業中  

 

個人客に特化した新たなショップを開設

「コロナ禍になった2020年の緊急事態宣言が出た時は、売上が3割あまり落ち込み、これからどうやって社員を守っていけばいいか、先が見えない不安に苛まれましたが、飲食業に比べると回復はかなり早かったため、何とか乗り切ることができました。」と振り返る。スポーツ大会やイベントが中止になったことで、まとまった仕事が減る一方で、個人客からの1枚だけ、一つだけ、刺繍やプリントをしてもらえないかとの要望が増えてきたことから、これまでも対応してきていたが、県の補助金を活用して個人客を専門に受け付けて仕事をする店舗を設けることに。幸いなことに本社の向かい側に手頃な物件を借りることができたことから、個人客の注文に特化したショップを新たに開設する。11月にはオープニングイベントとして、障害を持つ若手画家を招いて、Tシャツやバッグなどに作品の絵をプリントする体験イベントを開催するとのこと。オープニングイベントの様子をお客様がSNSで拡散してくれることで、新たな誘客が期待される。まとまったロットの仕事はもちろんのこと、少ロットにも対応できることが同社の強みでもあり、従来のBtoBからBtoCへの取り組みを本格化していく。

  

 

業界の中での頂点を目指して邁進!

目先の仕事をこなしていくことに手一杯で、なかなか新規事業に取り組む余裕がないのが現状のため、デザインデータの専門的な知識を有する人材の新規採用ならびに、新たにオープンする個人向けショップの運営スタッフも足りていないため、人材確保も課題になっている。さらに、これからの時代はSNSを活用することが不可欠なことから、近い将来スタッフを採用し、そうした対応もスムーズにできるよう体制を整えたい考えだ。そもそも両親が創業するにあたり、父親の名前であるムラカミトオルの頭文字からT.M工芸とし、さらに間のコンマを大きくしてО(オー)にしてTOM工芸に。父親は山が好きだったことから、水野社長は、「トップ オブ マウンテン」と後付けの由来ではあるが、この業界の中で一番を目指して頑張るとの意気込みをアピール。水野さんには二人のご子息がいるとのことで、近い将来家業の跡を継ぎ、親子三代でTOM(Top of Mountain)を目指して邁進する日もそう遠くなさそうだ。

   


​<見積の一例 2023年4月現在>
見積の一例
トム工芸の外観 水野玲子代表
                       水野玲子代表

 

会社概要

店名 有限会社トム工芸
創業 昭和57年
住所 金沢市横川6-68
代表 代表取締役 水野 玲子
電話 076-243-6323
URL https://www.tom-jap.com