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自社農園の採れたて野菜とキャンプ場を核に珠洲の自然と人の魅力を発信! 浦野農園 PLAYGROUNDO

印刷ページ表示 更新日:2023年10月25日更新

浦野農園 PLAYGROUNDO

自社農園の採れたて野菜とキャンプ場を核に珠洲の自然と人の魅力を発信! 浦野農園 PLAYGROUNDO

コロナ禍が明けて4年ぶりに奥能登国際芸術祭が開催された珠洲市。人口減少と高齢化が進む一方で、里山里海の美しい自然環境に導かれ、近年は県外からの子育て世代の移住者が増えているという。そんな珠洲の大自然を新たなビジネスに活用する取り組みの一つとして注目されているのがキャンプ場である。自社農園で収穫した野菜でバーベキューができるキャンプ場・PLAY GROUNDを運営する浦野農園代表の浦野博充さんにお話を伺った。

 

たばこ専業農家としての危機感が原動力

珠洲市には昭和の初めころから、日本専売公社(現 日本たばこ産業)に全量を納めるたばこ専業農家が数件営農してきていたが、たばこ消費量の減少と相俟って営農者の高齢化、後継者難から、2022年には浦野農園ただ一軒を残すのみとなった。三代目の浦野博充さんは、数年余り前からこれから先さらにたばこ消費量が減少していく時代の趨勢は否めず、このままたばこ専業では将来展望が描けない危機感を抱く。そうした現状を打開するためには、若い世代の人たちに農業の魅力や楽しさを実体験して知ってもらう活動の必要性を痛感し、まず自分にできることから取り組みを始める。

浦野農園 農業の魅力や楽しさを実体験

 

農業×子育て

浦野さんの奥さんが保育士であることと、自身も二人の子供がいることから、ママ友の輪を活用して、農園で野菜の栽培や収穫を仕事としてやってもらう間、託児所スペースを設けて、子供を預かりながらお母さんたちが農作業で収入を得られる取り組みをスタートさせる。農作業中も自分の子供の遊んでいる姿を確認しながら安心して作業ができと同時に、子供たちと一緒に土に触れることや野菜の収穫体験もでき、子供たちにとっても貴重な経験ができる。

子供と一緒に野菜の収穫体験 子供たちが畑で砂遊び

 

農業×規格外野菜

どんなに丹精込めて栽培しても、野菜の栽培は自然相手のため、形のいい美しい野菜ができる一方で、傷がついたり、ひび割れたり、見栄えが悪く出荷できない野菜もできてしまう。もちろん安全・安心・美味しさは変わらないものの、いわゆる規格外野菜。これを何とか活用して売上につなげたいとの思いから、規格外野菜を使ったメニューを提供する「農カフェ」を、奥能登国際芸術祭が開催されている期間限定で農園入口にオープン。浦野農園のある三崎町は通常の観光コースではあまり行くことのない場所だが、奥能登国際芸術祭が開催されている間は、近くに展示されている作品を鑑賞するため、車やレンタサイクルでウロウロする観光客が増え、営業中ののぼり旗に気が付き、偶然前を通った観光客がふらっと立ち寄るケースが散見される。中には外国人観光客の姿もあり、期間限定の農カフェは好評だった。今年農カフェに立ち寄った人たちが、珠洲を再訪した際に農カフェのことを思い出して来てくれることにつながれば・・。

    

 

農業×仲間

珠洲市は高齢化が進む過疎地域とのイメージが定着している一方で、奥能登国際芸術祭の開催が契機となり、海外や県外から多くの人が珠洲を訪れて、珠洲の自然と人の魅力に触れ、それがきっかけとなり、県外から珠洲の自然環境に惹かれた子育て世代の若い夫婦の移住が増えてきているという。そうした若い世代の人たちに浦野さんが積極的にアプローチをかけ、飲みにケーションを重ねながら意思疎通を図り、農園の手伝いや農カフェのスタッフとして数名あまりを採用することもできたという。こうして少しずつ移住者とのネットワークが広がることで、家族ぐるみでの収穫体験やバーベキューをしながらキャンプ場を利用するなど、自社の収益アップにもつながっている。

オートキャンプ場 オートキャンプ場

 

農業×遊び場PLAYGROUND

珠洲の土地と自然と美しい海を体感しながら、農園で収穫した野菜で夕日を眺めながらバーベキューを楽しめるオートキャンプ場を新たな事業として、石川県の補助金を活用し、トイレ・シャワー棟を建設し、2022年にオープン。1日1組限定の貸し切り運営のため、家族、恋人、グループが誰に気兼ねすることなく、ゆったりとした時間を過ごすことができる。使用料金は、宿泊料金1泊10、000円+1人あたり2000円×参加人数とのこと。オートキャンプ場とは別に、RVPARKとして車中泊スペースが4台分あり、1泊3000円(1台あたり)で利用できる。農園には季節ごとにさまざまな野菜が育てられているが、遊び心溢れる浦野さんは、子供たちが遠慮することなく気軽に農園に立ち入れるよう、野球のグラウンドをイメージし、ホームベースを中心に野菜の栽培スペースで内野部分を構成し、外野スペースには背の高いトウモロコシを栽培し、子供たちに野球や鬼ごっこを思う存分楽しんでもらえる農園=遊び場と思ってもらえる仕掛けづくりにも余念がない。

     

 

農業×イベント

浦野さんの人的ネットワークはもちろんのこと、オートキャンプ場を利用して気に入ったお客さんが、シェフ帯同で来所し、農園の採れたて野菜を使ってフルコース料理を提供するイベントなどにも利用されるようになり、使い方のバリエーションが広がりを見せている。オートキャンプ場からすぐ海に降りることもでき、白い砂浜は文字通りプライベートビーチ感覚で、珠洲の海を独り占めしている錯覚さえ覚えるロケーションはなかなかの魅力。使う側のアイデア次第で様々な楽しみ方ができるのがPLAYGROUNDである。

     

 

冬期間は閉鎖となるPLAGROUNDOのこれから

たばこ栽培は夏場の7月・8月が収穫期で、それが終わって秋までは野菜の栽培収穫とオートキャンプ場を営業するが、11月以降の冬期間は施設を閉鎖し、自らは九州へ農業の出稼ぎに出かけるという。冬期間は野菜の収穫体験も難しく、オートキャンプ場もスキー場でも近くにあれば別だが、需要が見込めないことから完全閉鎖となる。今後たばこの需要が伸びることは国内の状況からは考えにくいため、新たな収益の柱を次々と立ち上げてきた浦野さんのバイタリティーに敬意を表するとともに、PLAYGROUNDの冬期間の活用方法に知恵を絞り、珠洲の自然の魅力、野菜の美味しさ、能登の人のやさしさ、収穫の喜びを発信する拠点に育てていってもらいたい。

浦野博充さん  

 

会社概要

店名 浦野農園
代表 浦野博充
住所 珠洲市三崎町高波カ部46番地
電話 090-2038-1333
URL https://uranonouen.com