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金沢の武家屋敷通りにオープンして3年 心あたたまるおもてなしで人気店に! 志木葉

印刷ページ表示 更新日:2026年3月19日更新

  

 志木葉

金沢の武家屋敷通りにオープンして3年 心あたたまるおもてなしで人気店に! 志木葉

金沢を訪れる観光客が、兼六園、近江町市場、21世紀美術館、ひがし茶屋街と並んで必ず訪れる名所が、長町武家屋敷跡である。かつては、観光客を対象とした店はほとんどなかったが、平成に入ったころから次々と和菓子や観光土産を販売する店が点在するように。コロナ禍を経てインバウンドの海外からの旅行者も毎日のように多く訪れる人気のスポット。その長町に2023年12月に店を構えた和食店「志木葉」のご主人・富健二さんにお話を伺った。

 

叔父の影響で料理人の道へ

志賀町で生まれ育ったご主人は、小学校・中学校と野球に打ち込み、高校ではレスリング部で体を鍛えただけに、がっちりとした体格が若き日を彷彿とさせる。叔父がフレンチレストランのシェフだったこともあって、料理の世界に興味を持つようになり、高校を卒業したら調理師専門学校に進むつもりでいた。叔父に相談したところ、「専門学校へ行っても授業料がかかる上に、結果的に遊んでばかりで、腕は磨けないから、すぐに店に入って修業した方が自分のためになる。」とアドバイスされ、叔父の紹介で、縁もゆかりもない岐阜県の割烹料理店で修業することに。8年間勤めたが、自身の地元の能登とは異なり、海のない県のため、新鮮な魚を使った料理が出せないことにストレスを感じるようになり、石川県に戻って、金沢の浅田屋グループに就職。グループ内の和食店やステーキハウスで研鑽を積んだ。

志木葉(しきは) 志木葉の店内

 

奥さんの存在が独立を後押し

岐阜に修業に行ってから通算30年近く経験を積んでいたが、自分一人では独立に踏み切れなかったが、浅田屋グループで一緒に働いていた奥様の明日実さんが、自分の店を持つことを夢に頑張っている姿に背中を押され、独立することを真剣に考え始めた。ところが、世の中がコロナ禍になり、飲食業が大変な時期が続いたため、タイミングを見計らいながら、不動産物件を探し始める。カウンターだけの小さな店を想定していろいろ物件を見に行くも、なかなか思うような立地や造りの店に出会えなかった。コロナ禍が明けた2023年になって、2年あまり空き店舗になっていた現在の長町の物件に巡り合う。カウンター席とテーブル席も一部屋確保できる造りだったこと、観光客が多く、中心地からも近い長町で、街並みに溶け込んでいる一軒家だったことから、ここを借りて自らの経験を活かした和食と鉄板焼きの店を出すことに。

志木葉の外観 店内から見えるお庭

 

二人の出身地の地名にある「志」を使った店名「志木葉」

自分たちの店を持つにあたって、ご主人が志賀町出身、奥さんの明日実さんが宝達志水町(旧 志雄町)出身と、二人の出身地の地名に入っている「志」の文字を使った店名にしたいと思っていた。「志」の文字が使われたことわざや慣用句などを検索した中で、「志は木の葉に包む」という言葉に出逢う。木の葉に包むほどのささやかな物でも、心がこもっていれば立派な贈り物になるという意味があることから、自分たちがこれから二人三脚でお客様をもてなしていくにあたって、実に相応しい言葉だと感銘を受け、新たにスタートする店の名前を「志木葉」にする。

     

 

割烹に鉄板焼きをプラスした新たなスタイル

和食店で食事をすると、どうしても野菜や魚料理がメインになるが、そのコースの中で、少しお肉が食べられると、満足感が増すだけでなく、魚と肉の両方が食べられることがお客にとっての楽しみにもなる。しかも、フライパンで調理した肉が出てくるのとは異なり、目の前の鉄板で焼かれる肉と野菜、魚介類の焼ける音や芳しい香り、健二さんのパフォーマンスもご馳走の一つ。金沢市内の和食店で鉄板を備えて料理を提供するスタイルは、恐らく同店が初めてではないだろうか。それぐらい新鮮味を感じ、演出効果は大である。厨房内で小気味よいリズムで調理するご主人と、お客様の様子に目配り、気配りしながら接客する女将さんの二人三脚は実に微笑ましい。

富 健二さん 鉄板焼き

 

こだわりの出汁・食材・器・地酒

和食の要は出汁。北海道産の真昆布と鰹節のうまみをじっくりと引き出した出汁が志木葉の命。食材は鮮度抜群の能登で水揚げされた魚、野菜は可能な限り地物の旬の野菜を使う。2週間ぐらいのスパンで、その時期の旬の食材を使った献立を少しずつ変えていくことで、常連さんが月に2度目に来店しても、同じ献立にならないよう工夫している。料理を映え立たせる役割を果たす器には、地元の作家の器はもちろん、県内外の作家の器を使うだけでなく、贔屓にしている古物商から年代物の器や椀なども購入し、今の時代の新しい器と古き良き器を織り交ぜて使用することで、そのときどきの志木葉の料理の引き立て役となっている。忘れていけない日本酒は、北陸三県の旨い地酒の中からご主人が選んだ銘柄が冷蔵ケースの中で微笑んでいる。

鉄板焼きのお肉 お皿や器など 器

 

料理人は体力勝負

料理人の一日は、早朝の市場への買い出し、市場から戻ると昼営業に向けての仕込み作業、昼営業が終わると僅かな休憩時間はあるものの、今度は夜営業に向けての仕込み作業にとりかかり、それが終わると夜営業の本番を迎える。来客が全て帰ると午後10時を回り、それから後片付けと掃除を済ませるとほぼ深夜。こんな日々の連続だけに、体力勝負のしかもほぼ立ち仕事である。学生時代にからだは鍛えたとはいえ、間もなく五十路を迎えるご主人には決して楽なことはないと思うが、「年上の先輩たちがもっと働いていますから、まだまだですよ。」と笑顔。

     

 

「志木葉」を金沢からの贈り物に

お店のある場所が、長町武家屋敷群のメイン通りに面していることから、暖簾が出ていると、何の店だろうと外国人、日本人問わず、玄関を開けて入ってくる。残念ながら、完全予約制の営業のため、突然行っても食材がないため対応できない。「外国人観光客は、今日は食材がないからダメだけど、明日、明後日なら大丈夫と伝えると、翌日食べに来てくれるケースが度々あります。」とインバウンド客にも対応している。インスタグラムを見ると、横浜で同じ「志木葉」の店名で営業している店のオーナー夫婦が、金沢旅行に来て、同名の店があると知って来店し、意気投合したというエピソードも。2023年12月にオープンし、3年目を迎えた志木葉。石の上にも3年ではないが、長町の地で3年目を迎え、一段と街に馴染んで、街と共に地元に愛され、そして観光客にも愛される金沢の和食店として、金沢からの心のこもった贈り物になるよう、名実ともに「志木葉」を育てていってもらいたい。

 志木葉 富さんご夫婦 志木葉の個室

 

会社概要

商 号 志木葉
代 表 富 健二
住 所 金沢市長町2-4-34
電 話 076-223-8841