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有機栽培の地元産野菜・果物にこだわった、たいやきとジャムの店8989爆誕! (有)まるしょう

印刷ページ表示 更新日:2025年12月11日更新

  

 有限会社 まるしょう

有機栽培の地元産野菜・果物にこだわった、たいやきとジャムの店8989爆誕! (有)まるしょう

日本人とりわけ中高年の人たちにとって、昔から小豆餡の入った饅頭、大判焼き、たいやきは3時のおやつの定番商品。様々な菓子が店頭に並ぶ時代にあっては存在感が薄れつつあったが、1975年に子門真人が歌った「およげ!たいやきくん」の大ヒットで脚光を浴びて人気が復活。ここへきてインバウンド客の増加、映え商品人気で、個性的なたいやきがまたまたブームになってきている。小松市内で羽根つきたいやきを販売する「たいやき8989」の北村恭平代表にお話を伺った。

 

農家から漬物屋へ

北村家は祖父の代まで5代にわたり農業を営んでいた。自分たちの畑で収穫した新鮮な野菜の中に、形や色味が悪いだけで味は全く変わらないにもかかわらず、市場に出荷できない規格外の野菜が発生する。これを有効活用すべく、「まるしょう」の屋号で昭和56年から漬物の製造販売を始めたのが父の庄五さん。父親が有機栽培の野菜を使って、東京農業大学で専攻した農芸化学の知識を生かし、からだにとって安全で安心な極力余計なものを入れない漬物づくりに取り組んできた。そんな中で、平成23年には、自社農園で収穫したイチジクを使ったジャムの販売を始めたところ、お客様から好評を得る。そこから、地元石川県を中心に果物を栽培している農家から、季節の野菜や果物を仕入れ、10種類あまりのジャムを商品化する。その父の姿を見て育った現代表の恭平さんは、同じく東京農業大学卒業後、大阪に本社があるフィリングメーカーを経て家業に就く。昔から日本人のおやつとして人気のたいやきの餡の中に、季節の野菜のペーストを混ぜ合わせたオリジナル餡を作り、たいやきの生地にニンジンペーストを入れて焼き上げたたいやきを販売したところこれまた好評を得る。他にも自身が働いたフィリングメーカーのカスタードクリームやチョコ、抹茶クリームなどを使用し、レパートリーを増やしてきた。

たい焼きを作っているところ たい焼きが並ぶ たい焼きのメニュー

 

漬物屋からたいやき屋へ業態転換

令和4年に小松空港周辺の道路整備工事が始まり、安宅新町にあった同社の工場敷地の一部が区画整理で道路になることに。工場の建物は海に近いことから、外観は潮風に、内部は漬物に使用する塩で、老朽化が顕著な状況になっていたこと、近年は漬物の原料となる有機野菜の仕入れ価格が高止まりしていること、現在地で工場を新築する余力がないこと、そうしたことを勘案し、漬物屋として存続する道を諦め、人気商品に育ってきているたいやき専門店で、新たなスタートを切ることを決断する。「長年続けてきた漬物を辞めるのは寂しい思いはありましたが、いいタイミングが到来したと思いました。」と振り返る。幸いにして、小松市内の向本折町に土地を所有していたことから、そこに新たな店舗を構え、令和5年10月にオープンする。

お店の外観 店内の様子

 

お客様に育ててもらう店

たいやき専門店をオープンするにあたり、まず店名をどうするか。恭平さんの娘さんが赤ん坊の頃、なかなか笑わなかったが、ある時「鯉さんがパクパクしているよ」と話しかけたらかわいい顔で笑った思い出がよみがえり、そうだ、たいやきパクパクにしようと閃いた。ところが「パクパク」は既に商標登録されていたことから、数字の8989にすることで、パクパク、ヤクヤク、ワクワクと、お客さんに好きなように読んでもらい、お客様に育ててもらう店にしようと思い立つ。地元のデザイナーに依頼し、たいやきのユニークなイラストや看板のデザインが完成する。

たいやき8989 たい焼きの看板 羽根つきたい焼き

 

8989オリジナルのたいやき

同店のたいやきは、父の発案で、焼き台のたいやきの型に流し込む生地の中に、ニンジンのペーストが混ぜられていて、これが絶妙な風味を生み出している。羽根つきのたいやきに仕上げるため、あえて型の周囲に土手がない特別な焼き型を使用。生地を型に流し込み、刷毛で生地を羽根になるように周囲に広げ、生地が七割方固まるのを待ち、次は中に入れる餡を頭からしっぽまでたっぷりと入れ、上から生地をかけて、熱々のもう片方の型で挟んで焼き上げ、およそ10分から15分で羽根つきたいやきが出来上がる。一対の型で12個のたいやきが焼け、あずき、五郎島金時、小松トマト餡、カスタード、生チョコ入りクリームのたいやきを通年販売している。それに加え、季節のたいやきとして、いちごクリーム、ゆず餡、かぼちゃ餡、抹茶餡、桜餡のたいやきも。いずれも地元の有機栽培農家から仕入れた安心できる食材を使用し、添加物を極力使わず提供している。

たい焼きを作っているところ1 たい焼きを作っているところ2 たい焼きを作っているところ3 たい焼きを作っているところ4 たい焼きの完成

 

キッチンカーであちこちに出店

漬物まるしょうの時代から、各地のイベントにたいやきの焼き台を運んで、たいやきを販売してきていたが、毎回好評なことからキッチンカーを導入し、今はキッチンカーでイベント会場に出店している。そんな時にお客様から「子供が〇〇アレルギーなんだけど、何を使用していますか?」との声を度々聞いたこと、どんな人にもたいやきを楽しんでもらいたいとの思いから、卵・牛乳・小麦をはじめとする特定原材料8品目を使用しないアレルゲンフリーの米粉たいやきを商品化する。子供向けとの思いから、一口サイズのかわいらしい大きさで、かわいい見た目で子供たちにも大人気。しっかりと旨味が感じられ、自然な甘みが特徴だ。夏にはこの米粉たいやきをかき氷の上にのせると子供たちが大喜びする。

たい焼きのキッチンカー たい焼きを作る場所 出来たたい焼きを切り離す たい焼きの出来上がり

 

たいやきエンターテイメントをめざして

最初はたいやきの焼き方も分からなかった北村社長だが、今ではベテランのたいやき職人の腕前。たいやきをメインに、お客様と一緒に楽しめる店づくりを目指している。例えば、店舗2階のスペースを活用して、親子で楽しめるたいやき教室や街コン、犬を連れたお客様が米粉たいやきを犬にあげていたことから、ドッグランを併設して犬と共に楽しめるカフェ、あるいはまた一日の決まった時間になったら、スタッフ全員でたいやきダンスを踊ってみることも思案中。8989の店内に流れるBGMは、「およげ!たいやきくん」ではなく、なぜかクラシック音楽が。これは店主の個人的趣味とか。最近はインスタグラムで映える画像をアップするのが若者の流行でもあることから、夏場にかき氷の上に米粉のかわいいミニたいやきをワンポイントでのせた商品が人気なことから、ソフトクリームでもやってみようと考え中。「食」を通じてお客様の健康と笑顔に貢献したい。ただ食べる「食」ではなく、自社の商品を囲んで共に食べる人のコミュニケーションの場が生まれたら。忙しい現代だからこそ、食事の時にはホッと一息楽しんでいただきたい。こうした熱い思いを胸に、日々来店するお客様との会話のキャッチポールを重ねながら、お客様に育ててもらう店8989を創り上げていくことに日々邁進中。その先には、2号店、3号店も視野に入っているのかもしれない。たいやき8989、やくやく、パクパク、ワクワク、お客様が気に入る名前で呼んで、盛り上げていってもらいたい。

 北村恭平 社長 
      北村 恭平 社長

 

会社概要

商 号 有限会社 まるしょう
代 表 代表取締役 北村 恭平
住 所 小松市向本折町寅258番地
電 話 0761-21-9655
U R L taiyaki8989.com