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【事例紹介】車載式の製造プラントを普及させ、瓦やレンガのリサイクルを世界で ~(株)エコシステム

印刷用ページを表示する更新日:2022年4月5日更新

社会課題にこそビジネスチャンス SDGsを経営に生かし企業の成長を

「SDGs」(持続可能な開発目標)は格差や貧困、気候変動をはじめ、人々の生産や消費のあり方に至るまで、世界中の人々が社会課題を共有し、解決していくために国連が提唱した国際目標だ。SDGsへの関心、意識が世界的に高まる中、新たなビジネスチャンスの獲得や地域社会への貢献につながることから、県内企業でもさまざまな課題解決に向けた動きが加速している。社会のニーズに応え、長期的な成長を目指して企業活動を展開する県内2社にスポットを当てた​。

透水性や保水性に優れ、ヒートアイランド現象を緩和

車載式の製造プラント「モバコン」の写真。車に載せて建設現場まで運搬可能で、自動運転により舗装。 エコシステムは瓦リサイクルのパイオニアと言える企業だ。家屋の解体などによって廃棄された瓦を砂利のように細かく砕いてセメントや樹脂で固め、「K-グランド」と名付けた舗装材として販売するほか、施工も手掛けている。透水性や保水性に優れている点が特長で、ヒートアイランド現象を緩和する“クールな舗装材”として評価され、県内の公園や広場、歩道、自転車道、駐車場などで採用が進んでいる。
 日本では毎年、約100万トンの廃瓦が発生し、そのほとんどは埋め立て処分されている。同社では、産業廃棄物処理業を営む中で、何とか廃瓦を建設資材としてよみがえらせたいと考え、専用の破砕機を開発したり、セメントや樹脂の配合を工夫したりと研究を重ね、1999年に商品化にこぎ着けた。
 その後、施工面積を着実に増やすと同時に同社が取り組んできたのが、瓦リサイクルの輪を広げるフランチャイズ展開だ。現在では全国各地の20社に技術とノウハウを提供し、33都府県でK-グランドを施工できる体制を整えた。高田実社長は「これによって重い瓦を遠くに運ばず、地産地消でリサイクルできる」と胸を張り、「近年、ゲリラ豪雨など異常気象が増えており、瓦舗装材を普及させ地域の環境改善につなげたい」と話す。

ボタン一つで自動的に最適の量を計測、供給

 K-グランドを製造するには生コンクリートプラントなど、舗装材を製造できるプラントが必要だ。ところが、フランチャイズを希望する企業の中には意欲はあるが、設備を所有していない企業が多い。人力でも不可能ではないが、計量作業や練り混ぜる作業は極めて重労働だ。
 そこで、同社が独自に開発したのが小型移動式クレーン車に搭載できる車載式の製造プラント「モバコン」である。現場で生コンクリートを製造するための類似設備は他にもあるが、モバコンは唯一、製造の肝となる水をはじめ、すべての材料を自動的に計算した上で、最適の量を供給し、混ぜ合わせる機能を搭載する。また、IoTによってパソコンやモバイル端末で製造データを管理できるので、現場に専門の技術者がいなくてもボタン操作だけで、品質に優れた舗装材を作ることが可能だ。
 開発には2017年度からものづくり補助金を活用し、フランチャイズ企業にレンタルしながら継続的に性能アップに取り組んでいる。

「K-グランド」の施工例の写真1「K-グランド」の施工例の写真2「K-グランド」の施工例の写真3

不法投棄が社会問題となるベトナムで調査を開始

 「瓦やレンガといった窯業系製品は日本だけでなく、ヨーロッパや東南アジア、南米諸国でも多用されている」と話す高田社長が次に目指すのは、瓦リサイクルの技術とノウハウ、そしてモバコンの世界展開だ。
 その手始めとして、2020年度からは環境省の「我が国循環産業の海外展開事業化促進業務」に採択され、ベトナムで廃瓦や廃レンガを機能性と景観性に優れた舗装材としてリサイクルする事業を展開するため、可能性調査に取り組んでいる。
 ベトナムでは多くの建物に瓦やレンガが使われる一方、建物の解体に伴って発生する廃材が都市部で不法投棄されることもあり、社会問題となっている。
 エコシステムでは現地のパートナー企業やベトナムで事業展開する三谷産業(金沢市)、オリエンタルコンサルタンツ(東京都)、埼玉大学などと連携して調査を実施。高田社長は「将来的にはモバコンを使って世界中の街を美しい循環型未来都市に変えるお手伝いをしたい」と話し、2022年までにアジア、2026年までにヨーロッパへの展開を果たす計画だ。

老朽化したインフラの補修 途上国での水路の建設にも

 モバコンでは瓦舗装材のほか、製造後、3時間程度で車が通れるほどの硬さに固まり、橋梁のジョイント部などに用いられる超速硬コンクリートなどの製造も可能だ。国内では高度経済成長期に建設され、老朽化したインフラのメンテナンスが課題となっており、同社ではここでもモバコンが参入する余地が大きいとにらむ。
髙田実社長の写真。 また、世界を見渡せば、衛生管理の行き届いた飲み水を利用できない人が7億人以上もいると言われており、開発途上国での水路の建設にもモバコンが活躍するはずだ。
 さらに、高田社長は「月面基地を建設する際、月の岩石から作る“ルナコンクリート”を用いる構想がある。モバコンは遠隔操作が可能なので、さらに機能を向上させ、ぜひ製造をサポートしたい」と夢を語る。
 「SDGsの達成につながる事業に取り組むことで、共感してくれる仲間が増え、好循環が生まれる」と話す高田社長。ベトナムでの共同研究はその好例と言える。今後は、モバコンを柱にプラントメーカーへの脱皮を図る考えで、2030年には世界で年間500台を販売し、上場を目指す。

企業情報

企業名 株式会社 エコシステム
創業・設立 創業 1994年12月
事業内容 産業廃棄物リサイクル製品の開発、施工

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関連URL 情報誌ISICO vol.115
備考 情報誌「ISICO」vol.115より抜粋
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掲載号 vol.115

 


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