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兼六園の雪吊りをイメージ 年間67万箱を販売する主力商品に「YUKIZURI」 ~(株)レグレット

印刷用ページを表示する更新日:2017年9月29日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2016.AUTUMN|VOL.01

CASE 03 レグレット

シェフパティシエの永田欽哉さん 写真1本1本に愛情を込めて
作っています。

【活性化ファンド採択メニュー】
平成20年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)

 

兼六園の雪吊りをイメージ 年間67万箱を販売する主力商品に

津幡に新工場を開設 地元で約50人を採用

地元の素材をふんだんに

YUKIZURIのパッケージ。裏面には石川県内で開催されるイベントのスケジュールを記載している。 写真 七尾市出身のパティシエ辻口博啓さんが監修する洋菓子店「ル・ミュゼ・ドゥ・アッシュ」を運営するレグレット。同社が石川県を訪れる観光客への土産用に開発したのが「YUKIZURI(ゆきづり)」である。高速道路のサービスエリアなどで見たことがあるという読者も多いのではないだろうか。実はこのYUKIZURI も活性化ファンドの助成を受けて開発された商品である。
 その名の通り、YUKIZURI は兼六園の冬の風物詩となっている雪吊りをイメージした菓子だ。サブレの上に重ねた細長いパイ生地を吊り縄に見立て、ほのかに梅が香る砂糖で降り積もる雪を表現している。
 原材料には石川県産の米粉、能登産の牛乳や卵、揚浜式製塩法で作られた塩など、地元の素材をふんだんに使用。平成21年に能登産の梅を使った「YUKIZURI 梅」を発売したのを皮切りに、現在では七尾産の崎山いちご、柳田産のブルーベリー、石川県で開発された高級ブドウ・ルビーロマンを使ったものなど、季節限定品を合わせると11種類にまでバリエーションが広がっている。
 レグレットが県内で運営する4店舗のほか、金沢駅構内のコンビニエンスストア、兼六園の土産店、北陸道のサービスエリア、ホテル、温泉旅館など、北陸3県の約50店舗で販売しており、年間約67万箱を売り上げる人気商品となっている。

完成までに100回以上の試作

 「兼六園の雪吊りは石川県を象徴する景観。その美しさを、お菓子を通してより多くの人にPRしたい」。開発のきっかけについてそう話すのは辻口さんの右腕としてシェフパティシエを務める永田欽哉さんだ。また、土産用の菓子であれば、観光客が持ち帰った先で多くの人に食べてもらえるため、地元産の魅力的な食材を広く発信できるという点も狙いの一つだ。
 開発段階では、米粉を使ったサブレと軽い歯触りのパイの間にチョコとクリームの層を挟んで焼き上げるなど、食感や味わいを工夫した。また、石川らしさを出すために第一弾には加賀藩前田家の梅鉢紋をヒントに、梅を使った商品を作ることにした。味のバランス、見た目の美しさ、食べた後の満足感などをとことん追求し、完成するまで、活性化ファンドを活用し、実に100回以上も試作を繰り返した。
 販売は七尾と金沢で展開する直営店をはじめ、15店でスタート。YUKIZURIを初めて扱う販売店にはしっかりと商品の特徴を理解した上で観光客に薦めてもらうため、永田さんらが出向いて使われている食材やこだわりを説明した。
 そのおいしさで観光客からも高く評価され、売り上げは右肩上がりで伸び、それに合わせ、「うちでも売らせてほしい」と請われて販売網も広がっていった。

職人の感性が味の決め手

 当初は仕込みから製造、包装に至るまですべてが手作業だったこともあり、時には生産が追いつかなくなってしまうこともあった。同時に、北陸新幹線開業による観光客の大幅な増加をビジネスチャンスととらえ、平成27年には新たな生産拠点となる津幡アトリエを開設した。
 津幡アトリエでは地元から約50人を雇用。生産能力を従来の約1.5倍に引き上げたほか、バウムクーヘンなどの焼き菓子も製造している。
津幡アトリエで製造されているYUKIZURIの仕上げ工程 写真 パイ生地の切断、材料の攪拌(かくはん)、菓子の個包装などの工程については機械化も進めた。とはいえ最後にものをいうのは職人の感性だ。例えば、材料を混ぜ合わせるだけでも、マニュアル通りに機械を動かせばよいわけではない。その日の温度や湿度によって混ざり具合は微妙に変わるため、最後は人の目や舌、手触りで入念にチェックする。
 また、永田さんが社員によく言って聞かせるのは「1本1本にしっかりと愛情を注いで作ってほしい」ということだ。メーカーにとってみればたくさん作るうちの一つでも、お客様にとってはその一つがすべて。だからこそ一つ一つ、丁寧に心を込めて作ってほしいというわけだ。

子どもの夢を応援

 YUKIZURIを発売した7年前に比べ、レグレットの売り上げはおよそ3倍以上に伸びた。これを牽引するのは言うまでもなくYUKIZURIで、今では同社の売り上げの約5割を占める大黒柱として成長した。
 YUKIZURIの売り上げの一部は、次代を担う子どもたちの夢を応援する事業「辻口博啓夢プロジェクト」に活用されている。その一環として、全国の園児、小中学生を対象とした「子ども絵画コンクール」を開いており、最優秀賞受賞者については本物の芸術に触れてもらおうと、フランス・ルーブル美術館に招待している。
 「YUKIZURIはまだまだ土産菓子としては歴史が浅い。まずは地元の方に愛され、県外のお客様に買っていただけるように商品も人材も磨いていく。これからも石川を盛り上げ、地元の食材や魅力をアピールしていきたい」と意気込む永田さん。レグレットはこれからも菓子作りを通して、石川の活性化や情報発信に一役買ってくれるに違いない。


YUKIZURI 写真YUKIZURI
現在、季節限定品を合わせて11種類を展開しており、写真は上から「梅」「ルビーロマン」「金箔」。牛乳や卵、米粉、果物など、地元産の食材をふんだんに使い、フランス伝統菓子「サクリスタン」をヒントにアレンジを重ねて開発された。

成功のエッセンス

・地元産素材やネーミングで特徴付け

・販売店にも商品の特徴をレクチャー

・商機を逃さず新工場を開設

企業名株式会社レグレット
住所七尾市和倉町ワ部65-1
TEL0767-62-4000
事業内容洋菓子の製造・販売
設立平成18年4月