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初の6次産業化にチャレンジ 酸味の効いたトマトカレーが好評「おいしいトマトでつくったカレー」 ~小松市農業協同組合

印刷用ページを表示する更新日:2017年9月29日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2017.SPRING|VOL.02

CASE 01 小松市農業協同組合

営農企画課の吉本武司課長補佐、白山喜久課長、北口則子さん。トマトカレー開発の中心的メンバーだ。 写真

小松市の農業を元気にしたい。
そんな思いで6次産業化に取り組んでいます。

【活性化ファンド採択メニュー】
平成21年度 農商工連携事業(食品加工ビジネスモデル構築支援)
平成27年度 産業化資源活用事業(海外展開支援)

初の6次産業化にチャレンジ 酸味の効いたトマトカレーが好評

規格外農産物を有効活用 農家や地域に喜ばれる事業に

ヘルシーカレーなど4タイプ

おいしいトマトでつくったカレー パッケージ写真 小松市農業協同組合(JA 小松市)では活性化ファンドの助成金を利用して初めて6次産業化にチャレンジした。その第一弾となったのが平成21年から販売する「おいしいトマトでつくったカレー」である。
 これは小松産のトマトを使ったレトルトカレーで、水を一切使わず、トマトの水分だけで作っているのが特徴だ。トマトのほどよい酸味とカレー本来のスパイシーな辛さのバランスが絶妙な味わいとなっている。
 ラインアップはトマトの酸味を生かしながらコクのある味わいの「マイルド」のほか、肉の代わりに大豆を入れてカロリーを抑えた「ヘルシー」、加賀丸いもや大麦など地元の素材をふんだんに使った「プレミアム」、29種の焙煎スパイスで煮込んだ本格派の「国産ビーフの熟成トマトカレー」と4種類を展開している。
 販路はJA小松市の直売所「JAあぐり」のほか、「道の駅こまつ木場潟」、JR金沢駅構内の「Aガイヤ」、小松空港の売店、県内のスーパー、石川県が東京・銀座に開設するアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」などに広がっている。

例年7万食を販売

 そもそも小松市は年間約1,400トンの出荷量を誇る北陸三県一のトマト産地である。しかし、約半数が関西に出荷されていることもあり、地元での認知度は低かった。
 そこで、認知度アップを目指したJA小松市が平成19年に開催したのが「とまとまつり」で、イベントの一環として、生産者が普段食べているトマト料理の試食会を企画した。「好評だったのがトマトカレーでした。これならばPRに最適だと商品化に乗り出すことになりました」(営農企画課の北口則子さん)。
 とはいえ、JA小松市が商品開発に取り組むのは初めて。調理設備もなく、当初は県立翠星高校の施設を利用して試作し、JAあぐりで試験的に販売することからスタートした。
 トマトカレーは作った分がすぐに売り切れるほど好評だったが、加工技術は未熟で販売量の増加に対応できず、また、小ロットの生産を引き受けてくれる加工業者も見つからなかった。
 そこで、JA小松市では活性化ファンドを活用して、ISICOの支援のもと、製造では桃宝食品(小松市)、成分分析では北陸学院大学と協力する連携体制を構築して生産を本格化。吉本武司営農企画課長補佐は「平成22年にオープンした道の駅こまつ木場潟では、地場農産加工品の目玉として注目され、食品産業センター主催の平成22年度優良ふるさと中央コンクールで農林水産大臣賞を受賞することができました」と笑顔を見せる。
 平成23年には国の6次産業化法事業計画認定を受け、原料となるトマトをカットして冷凍貯蔵しておく一次加工施設を整備し、年間を通して計画的に生産できる体制を整えた。この結果、初年度に約2,000食だった販売量は急増し、現在では毎年7万食を販売するヒット商品として定着した。

開発専門の部署を立ち上げ

海外展開を見据え、英国コマツの家族参観日に開かれたトマトカレーの試食会。イギリス人にもおいしいと評判だった。 トマトカレーのヒットをきっかけに、地元の農産物を生かした商品化を進めるため、JA小松市では6次産業化プロジェクトを立ち上げ、昨年からは営農企画課として格上げし、8人の職員を配置した。現在までに「竹の子ごはんの素」「トマトカレーおかき」「こまつむぎ茶」「加賀丸いも焼酎」など、精力的に開発を続けている。
 また、トマトやニンジン、カボチャ、大麦といった農産物のピューレを市内のベーカリーや菓子店に販売している。トマトだけをとってもゼリー、ジャム、ソースなどに利用され、小松産の農産物で特産品を作ろうという機運の盛り上げに一役買っている。
 平成27年にはこうした加工品を海外で展開しようと、ロンドンのスーパー3店でトマトカレーとご飯をセットにした商品の販売をスタートした。イギリスでもカレーはなじみのある味だが、日本の約3倍と価格が高い上、ルーをご飯にかけて食べる習慣がないことから、今年4月以降はソースとしての利用を見込み、ルーのみを価格を下げて販売する計画だ。
 今年1月からは東京にある外国人がよく利用するスーパーでもトマトカレーの販売をスタート。白山喜久営農企画課長は「海外で人気が出れば、これが話題になって、国内での販売がさらに伸びることを期待している。また、日本へ訪れる外国人客も取り込みたい」と話す。

年間24トンを買い取り

 トマトカレーに使われているのは、味に問題はなくても、形がいびつだったり、傷が付いていたりして出荷できない規格外品である。こうしたトマトはこれまで廃棄されてきたが、JA小松市が買い取ることで、農家の所得向上につなげている。ちなみに、平成28年に買い取った規格外トマトの量は24トンと当初の8倍に上っている。
 また、かつては廃棄されたトマトが畑の隅に山積みになっていたが、JA小松市が買い取るようになってからは、そうしたこともなくなり、地域住民から景観がよくなったとの声も寄せられる。
 そのほか、箱詰め作業は地元の福祉施設で行っており、雇用の創出にもつながっている。
 6次産業化の狙いについて、「少しでも農家の人に喜んでもらって、意欲的に農業に取り組んでもらうきっかけになれば」と話す白山課長。JA小松市の旗振りで、小松の農業はますます元気になるに違いない。


おいしいトマトでつくったカレー 写真

おいしいトマトでつくったカレー
水を一切使わず、小松産トマトの水分だけで作ったカレー。一袋につき中玉サイズのトマト1 個を使用する。地元で採れたニンジンやタマネギのほか、隠し味としてサツマイモも入っている。トマトの酸味が効いており、思わずリピートしたくなる味わいだ。価格は1食432~540円(税込み)

成功のエッセンス

・小松の特産品を活用して商品開発
・農商工連携や加工施設の整備で量産体制を確立
・農家の所得向上、地域の雇用創出に貢献

企業名小松市農業協同組合
住 所小松市上小松町丙252
T E L0761-22-5111
事業内容信用、共済、購買、販売事業
設立 昭和47年3月