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ナマコと珪藻土、和倉の湯を配合 手荒れを防ぐ石けんが女性に人気「なまこ美人化粧石けん」 ~能登珍味 なまこや[(有)大根音松商店]

印刷用ページを表示する更新日:2017年9月29日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2017.SPRING|VOL.02

 CASE 04 能登珍味 なまこや

「ナマコの珍味を購入してくれるのは年配の方が多いので、石けんや菓子を糸口に新たなファンを開拓したい」と話す園山芳生専務 写真石けんなどの新商品をきっかけに
新たなファン層を開拓していきたい。

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ナマコと珪藻土、和倉の湯を配合 手荒れを防ぐ石けんが女性に人気

天然の保湿成分がたっぷり ネットショップのリピート率は85%以上

肌の透明感がよみがえる

泡はきめ細やか。百貨店の催事などに出店した際は、お客さんに手を洗っていただき、使い心地を実感してもらった 写真 「このわた」や「干くちこ」など、七尾湾で獲れたナマコで珍味を製造する「なまこや」にとって、新たなヒット商品となっているのが活性化ファンドの助成金を使って開発した化粧石けんだ。
 この化粧石けんには、ナマコから抽出したエキスと能登産の珪藻土、和倉温泉の源泉水が配合されている。ナマコに豊富に含まれているコラーゲンやセラミドといった成分が肌に潤いと弾力を与え、サポニンの発泡作用が汚れをしっかりと浮き上がらせる。また、珪藻土の中にあるモンモリオナイト成分が毛穴に詰まった汚れや余分な角質を吸着する。
石けんを購入するのは女性客が中心だが、ミントが香る「マリンブルー」は男性の愛用者も。 写真 ラインアップは、無香料の「ナチュラルベージュ」とミントの香りの「マリンブルー」の2種類。七尾市内にある自社店舗やネットショップをはじめ、能登空港、能登食祭市場、めいてつ・エムザ、石川県観光物産館、金沢百番街、石川県が東京・銀座で開いたアンテナショップ「いしかわ百万石物語・ 江戸本店」で常時販売するほか、全国の百貨店で開かれる催事にも出店する。
 「しっとりと洗い上がる」「肌の透明感がよみがえる」と好評で、平成22年の発売以来、売れ行きは右肩上がりだ。愛用する女性も多く、ネットショップでのリピート率は実に85~90%を誇る。口コミで評判が広がり、最近では仕事中に手を洗うことが多く手荒れに悩む看護師からの注文も多い。

店頭で効果を実感して購入へ

 「ナマコの漁期は冬です。珍味作りは厳しい寒さの中、冷水に手をひたしながら作業をするのですが、職人の手は荒れることもなく、すべすべとしているんです。これは何かナマコに秘密があるのではと思いました」。開発のきっかけについて、こう話すのは園山芳生専務だ。ナマコの秘密を解明しようと、金沢大学で成分を分析したところ、コラーゲンなど天然の保湿成分がたっぷりと含まれていることが分かり、商品化に向けアクセルを踏んだ。
 活性化ファンドの助成金を使った試作開発期間では、当初ナマコの生臭さが際立ったが、能登特産で消臭効果に優れる珪藻土の粉末を配合することで解決した。さらに地域色を強く打ち出そうと、塩分が毛穴を引き締め、肌をなめらかにする和倉温泉の源泉水も加えた。
 発売からしばらくは思うように売れなかったが、売り場で実際に手を洗い、使用感を試してもらう体験型プロモーションを始めたところ、売り上げが急上昇した。
 「1個で2,000円近くする石けんで決して安くはありません。ですから、既存の石けんとの差別化を第一に考えました。最初はキャラメル大のサンプルを渡していたのですが、それでは家に帰ってからしか試してもらえません。そこで、その場で使い心地を実感してもらおうと思ったのです」(園山専務)

中島菜を加え、よりヘルシーに

七尾特産のナマコと中島菜が入ったレトルト粥。ナマコを食べたことのない人も食べやすい商品だ 写真 平成28年には再び活性化ファンドの助成金を活用して開発した「能登・七尾産のなまこのお粥(かゆ)(中島菜入り)」を発売した。
 原料は乾燥ナマコを水で柔らかく戻し、スライスしたものを使用するほか、血圧上昇を抑制し、抗酸化作用が高いとされる能登野菜「中島菜」を入れた。米は能登産こしひかりで、味付けは天然塩でシンプルに仕上げた。レトルト食品なので、温めるだけで手軽に食べられる。
 「当社の乾燥ナマコの6~7割は高級食材として珍重される中国へ輸出しています。そこで、中国人がよく食べるお粥をヒントにこの商品を企画しました。もともとは白粥しかなかったのですが、健康志向の消費者にも手にとってもらおうと新たに中島菜入りを開発しました」(園山専務)
 活性化ファンドによる開発では粥の汁が黒っぽくならないように調理法を改善したほか、今後、機能性食品としてPRしていくためにコラーゲンやコンドロイチンといった成分がどの程度、含有しているかを検査機関で分析した。
 現在のところ、販売は国内のみだが、販売量は着実に増えており、将来的には業務用を製造して、老人福祉施設などへ販路拡大を図るほか、ナマコの人気が高く、メード・イン・ジャパンへの信頼も厚い中国への輸出も視野に入れている。

新たなファンの獲得に注力

 これまで紹介した化粧石けんやレトルト粥のほかにも、クリーム状にしたナマコを入れ、ねっとりとした食感に仕上げた洋菓子「パンナマコッタ」やスープも商品化。「食べて 使って なまこ美人」シリーズとして販売している。
 こうした商品開発の背景には、ナマコの新たなファンを獲得し、次世代の顧客を育てたいとの思いがある。例えば、化粧石けんの販売は、これまでナマコを敬遠してきた女性客の取り込みにつながっており、「パンナマコッタ」は子どもや若者にも訴求している。
 また、いつも珍味を買ってくれる常連客が新たに石けんを買ってくれたり、石けんをきっかけに同社のことを知ってくれた新規客が珍味に興味を持ってくれたりと、ジャンルの異なる商品を展開することで相乗効果も生まれている。
 園山専務は新たに美容関連の新商品も企画しており、「一つ一つは小さくてもいいので、柱をいくつも作っていきたい」と意気込みを語っている。


なまこ美人 化粧石けん 写真なまこ美人 化粧石けん
能登の里山里海の恵みにこだわって作られた化粧石けん(1個1,900円税込)で、七尾湾で取れたナマコから抽出したエキスや能登産の珪藻土の粉末、和倉温泉の源泉水が配合されている。しっとりと潤いのある洗い上がりが特徴だ。和倉温泉の宿泊客にも人気で、観光土産品としてまとめ買いする人もいる。

成功のエッセンス

ナマコの持つ天然保湿成分を生かして石けんを開発

・体験して良さを実感してもらうことで購買意欲を刺激

・多様な商品開発で既存の顧客とは違う層にアピール

企業名能登珍味 なまこや[(有)大根音松商店]
住所七尾市石崎町香島1-22
TEL0767-62-2253
事業内容加工食品、化粧石けんの製造、販売
設立昭和59年11月