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具だくさんの特製ひろずを商品化 物産展や通信販売で上々の売れ行き ~(株)金沢豆冨

印刷用ページを表示する更新日:2017年12月20日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2017.AUTUMN|VOL.03

CASE 01 金沢豆冨

道越克彦社長の写真まだまだアイデアはある。
今度は若者を驚かせるような新商品を作りたいね。​

【活性化ファンド採択メニュー】
平成24年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)

 

具だくさんの特製ひろずを商品化 物産展や通信販売で上々の売れ行き

調理の手間がいらない味付け商品や食べやすいミニサイズも好評

生麩など11種類の具材がぎっしり

 明治45年創業の老舗豆腐メーカー、金沢豆冨が活性化ファンドを活用して開発したのは「特製ひろず」である。ニンジンやキクラゲ、ギンナンといった定番に加え、金沢らしさを演出する生麩やすだれ麩など、全11種類のバラエティ豊かな具材を詰め込んだ点が最大の特徴だ。春にはタケノコ、秋にはクリを入れるなど季節感も大切にしている。
 生地は石川県産の大豆と珠洲市産の海水塩のにがり、白山の伏流水から作られた豆腐と粘り気のある加賀丸いもを混ぜ合わせたものだ。11種類の具材を刻まずに包んで揚げているので、一つ一つの具材の味や食感を十分に楽しめる。
 販路の中心となっているのは百貨店で開かれている物産展だ。札幌の丸井今井から鹿児島の山形屋まで、全国各地で販売実績があり、多い時には1週間で約1,000個を売り上げる。また、高島屋やディノス、千趣会の通信販売も有力な販路だ。昨年には自社ホームページからも購入できるようにしたところ、物産展で金沢豆冨のひろずを味わった消費者が、その後、リピーターとして注文してくれるようになった。
現在では、ひろずが同社の売り上げの20%ほどを占めるまでに成長し、道越克彦社長は今後の主力として期待をかけている。

原材料は地産地消を第一に

 「大きいだけで具の少ないひろずは嫌。具のいっぱい入ったおいしいひろずを食べたい」。
 特製ひろずの開発に乗り出したきっかけは、道越社長の妻で毎日食べたいほどひろずが好物の起代美取締役のこんな一言だった。
 さらに物産展に出店するうち、ひろずは全国的には“がんもどき”、京都などでは“飛龍頭(ひりょうず)”と呼ばれ、具材を細かく刻んで生地に入れるが、金沢では刻まずに包んで揚げるのが特徴と分かり、看板商品として力を入れることにした。
 当初の具材はニンジン、ゴボウ、レンコン、キクラゲだけだったが、より独自色を強くしようと加賀麩や季節を感じさせるものをプラスし、改良した。
また、例えばギンナンは金沢市産、キクラゲは宝達志水町産といった具合に地産地消を心がけている。一般的に使われている中国産に比べると、仕入れ値は割高になってしまうが、道越社長は「当社だけでなく、地域の生産者も含めて生活していけるようにしたい」と話す。

治部煮をヒントにした商品も

百貨店で開催される物産展での販売ブースの写真 発売時は味付けして煮込んで食べる生タイプだけを販売していたが、その後はラインアップの拡充にも取り組んだ。
 消費期限が冷蔵で3 日と短いためにまとめ買いができない、あるいは調理が面倒なのでもっと手軽に食べられるようにしてほしいといった消費者の声に応えて商品化したのが「味付け特製ひろず」だ。これは油抜きをして、下味を付けた上でだしにつけ込んで真空パックにした商品だ。調理する必要がなく、電子レンジや湯せんで温めるだけで手軽に食べられる上、冷蔵で30日、冷凍で60日にわたって日持ちするようになった。現在では、この味付けタイプがひろずの売り上げの50%以上を占めている。
 さらに、おでんや煮物の一品として加えたいとのニーズから生まれたのがサイズを二回りほど小さくして、具材も6種類に絞り込んだ「特製ミニひろず」だ。こちらも好評で、通常サイズのひろずを上回る売れ行きを示している。
 最新作は金沢の郷土料理をヒントに開発した「治部煮ひろず」だ。具材は生麩、すだれ麩、奥能登特産の原木シイタケ「のと115」、とろみを付けた国産鶏肉、ニンジン、タケノコが入っている。秋から冬にかけて1 日60個限定で販売しているがすぐに売り切れる人気ぶりだ。

増産に向け急速冷凍機を導入

 順調に売り上げを伸ばす特製ひろずだが、課題もある。それは秋から冬にニーズが集中し、生産が間に合わなくなることだ。温かな煮物はやはり冬にこそ食べたくなる料理である。メインの販路となっている物産展の開催が秋から冬、とりわけ1 〜3月に集中している点もその傾向に拍車をかけている。
 この課題を解消するため金沢豆冨では今年2月にものづくり補助金を利用して急速冷凍機を導入した。これを活用して、仕事が忙しくない夏場にひろずを作り置きしておくのが狙いである。
同社にとって従来からの主力であるスーパーでの豆腐販売は、価格競争が激化している。県産大豆を筆頭に原材料にこだわる商品づくりで差別化を図る同社が、「スーパー向けで売り上げを伸ばすのは難しい」(道越社長)のが現状だ。
 そこで、成長のエンジンとなるのが付加価値の高い商品が好まれる物産展や通信販売などである。こうした販路に向け、道越社長は「まだまだアイデアがある」と腕まくりし、特製ひろずのほかにも豆乳を使ったスイーツなど新たな商品開発を視野に入れる。老舗企業の今後の取り組みに注目したい。


味付け特製ひろずの写真​味付け特製ひろず​​
石川県産の大豆と珠洲市産の海水塩のにがり、白山の伏流水で作った豆腐と加賀丸いもを混ぜ合わせた生地で、生麩やすだれ麩、ニンジンやキクラゲ、ギンナンなど彩り豊かな11種類の具材を包んで揚げている。「お客様に感動と驚きをもって食べてほしい」という思いで開発された。普通サイズ(右側)はもちろん、ミニサイズ(左側)も好評だ。

成功のエッセンス
  • 付加価値の高い商品が好まれる物産展で販売
  • 消費者ニーズをとらえて商品をアレンジ
  • 金沢独自の食文化をヒントに新商品を開発​

企業名

株式会社金沢豆冨​
住所金沢市専光寺町二71-1​
TEL076-266-1201​
事業内容豆腐類及び関連食品製造・卸・販売​
創業明治45年4月​