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自社栽培の完熟フルーツで作ったジュースやジャムが人気商品に ~(有)三共農園

印刷用ページを表示する更新日:2017年12月21日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2017.AUTUMN|VOL.03

CASE 02 三共農園

岸英樹支配人と小山一徹営 業主任の写真完熟した果物のおいしさを季節を問わず、届けたい。
そんな思いで作っています。​​

【活性化ファンド採択メニュー】
平成20年度 農商工連携事業
(食品加工ビジネスモデル構築支援)

自社栽培の完熟フルーツで作ったジュースやジャムが人気商品に

旬のおいしさをいつでもトータルで年間約1万本を完売

リピーターやギフト需要が増加

 三共農園が運営する「加賀フルーツランド」は、約10ヘクタールの敷地でイチゴやブドウ、リンゴ、ブルーベリー、サクランボなどを栽培し、1年を通して果物狩りを楽しめる観光農園である。
 平成20年には活性化ファンドの助成金を活用し、もぎたての果物を使ってジュースやジャムといった加工品の開発にもチャレンジ。今ではこれらが人気商品に育っている。
 ジュースはブドウ4種類(デラウェア、ブラックオリンピア、スチューベン、マスカットベリーA)とリンゴを、ジャムはイチゴ、ブルーベリー、キウイ、イチジク、リンゴをラインアップする。いずれも果物が本来持つ味わいや甘みを大切にし、香料や保存料などの食品添加物を一切使用していない。
 販路の主力は加賀フルーツランドの店内ショップで、このほか地元の旅館やカジマート、ISICOが香林坊大和で運営する「石川のこだわりショップ かがやき屋本店」でも販売する。
 年間で各種類900~1,500本を製造し、発売当初は売れ残ることもあったが、年を追うごとにリピーターが増え、中元や歳暮、引き出物、ゴルフの景品などギフト需要も伸びた結果、近年では1年ごとに作った分がちょうど売り切れるほどになっている。

観光農園のPR役と期待

 同社が加工品の製造に乗り出した理由は大きく2つある。
ひとつは農園内で余ってしまった果物を有効活用するためだ。加賀フルーツランドでは年間を通じて果物を栽培しているが、そのすべてが来園者の手でもぎとられるわけではない。特に農園の隅で実っている果物は食べ頃を迎えてもそのまま放置されていることが多く、収穫して安価で販売するか、廃棄していた。しかし、味にはまったく問題がない上、精魂込めて育てた果物を捨てるのは忍びないという気持ちもあり、旬のおいしさを、年間を通じて味わってもらえる商品に加工できないかと考えたのだ。
 「例えばブラックオリンピアのブドウ狩りを楽しめるのは8月下旬から1カ月ほどです。しかし、ジュースであれば季節を問わずに提供できます。旬の時期には生の果物、それ以外の時期は果物が一番おいしい時期に収穫、加工した商品を味わっていただきたい」(岸英樹支配人)。
 もうひとつは加工品に加賀フルーツランドの広告塔の役割を担ってほしいという期待である。ジュースやジャムといった加工品は生の果物に比べれば賞味期限も長く、配送しやすい点がメリットだ。店頭で陳列されたり、家庭で消費されたりする機会が増えれば、施設の認知度アップや集客にもつながると期待した。
 直接的に効果を測ることは難しいが、加工品を売り出す前に比べると、果物狩りを楽しむ人の数は1万人ほど増えて年間10万人となっており、ある程度集客にも貢献していると言えそうだ。

生食用より遅めに収穫

ジャムはキウイ、イチゴ、ブルーベリー など全5種類 ジュースやジャムの試作や販促ツールの制作、パッケージデザインの開発をサポートしたのが活性化ファンドの助成金だった。
 例えば、収穫時期の違いによって、ジュースあるいはジャムに加工した際、味にどのような変化が出るのかを見極めることも試作のテーマのひとつである。石川県や富山県の食品加工企業と連携し、いろいろと試した結果、生で食べておいしい時期よりも少し遅めの完熟した頃合いを見計らって収穫、加工すると果物の甘さが一番際立つという結論に達した。
 ブドウの場合、完熟したタイミングでもぎとると粒がぽろぽろと落ちてしまい手間はかかるが、とにかくおいしいものを届けたいとの一心で、収穫作業に当たっている。
 ちなみに同社が500ミリリットル入りのジュース1本を作るために使っているブドウは1キログラムにもなる。完熟したブドウを搾っているので、濃厚な味わいが特徴だ。
 小山一徹営業主任は「自社農園だから、これだけぜいたくにブドウを使えるんです。そのまま飲むのはもちろん、炭酸水で割って飲んだり、ロックでゆっくり氷を溶かしながら飲んだりするのもおすすめです」と話す。

栽培技術の向上にも腐心

 果物本来の甘みや酸味を生かしてジュースやジャムを作っているだけに、同社ではどうやっておいしい果物を栽培するかという点にも心を砕いている。具体的には毎年のように施肥や灌水の量とタイミング、剪定方法などに工夫を重ねており、味や面積当たりの収穫量の向上につなげている。
 また、商品の高付加価値化も今後の課題と言える。具体的な開発はこれからだが、例えば、小山主任は「ブドウジュースの場合、渋みが多いので、搾りたてよりも一カ月くらい後の方がまろやかな味になっておいしいんです。ワインのように熟成の度合いによって何パターンかの味を楽しめるようにしても面白いと考えています」と話す。
 最近では土日・祝日限定でフルーツバイキングを企画し、行列ができるほどの人気を集めている加賀フルーツランド。もぎたてをその場で味わってもらうことはもちろん、いかに年間を通じておいしい果物を楽しんでもらうかをテーマにこれからも挑戦が続く。


オリジナルジュースの写真オリジナルジュース
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加賀フルーツランドで栽培したブドウやリンゴで作った果汁100%のジュース(1 本500ミリリットル入り1,000 円)。完熟した果物を収穫して搾っているので、ブドウやリンゴが本来持つおいしさがぎゅっと濃縮されている。味が濃厚なので氷や炭酸水で少し薄めて飲むのもおすすめ。加賀市内の温泉旅館ではお酒の飲めない人向けにワイングラスで提供することもある。

成功のエッセンス
  • 果物本来の味わいを生かし加工品に
  • 余剰の果物を惜しみなく活用
  • 知名度アップ、誘客促進にも貢献​

企業名

有限会社三共農園(加賀フルーツランド)​
住所加賀市豊町イ59-1​
TEL0761-72-1800
事業内容加賀フルーツランド(果物狩り・バーベキュー・パークゴルフ)の運営
設立昭和59年8月