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“失敗”から始まった商品開発独自の編み方で機能性を高める ~プランドル飯田

印刷用ページを表示する更新日:2017年12月22日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2017.AUTUMN|VOL.03

CASE 05 プランドル飯田

飯田道昭社長

パリでつかんだ手応えを自信に、
海外にも積極的に売り込んでいきたい​​

【活性化ファンド採択メニュー】
平成21年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)
平成25年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)

“失敗”から始まった商品開発独自の編み方で機能性を高める

ふわふわ肌触りのマフラーと快適サポーターを全国展開

長年培った技術を活用

伸縮自在な サポーターの写真 プランドル飯田では、飯田道昭社長の長男・飯田託朗製造部長を中心に刺繍や編み立ての技術向上を追求し続けており、その高い品質で顧客の心をつかみ、阪神タイガース認証のリストバンドや人気アーティストのコンサートグッズなど、さまざまなニット製品の製造・販売を手がけている。長年にわたって培ってきた技術力を盛り込んだオリジナル商品の開発・販売も進め、現在、「FF(ふわふわ)マフラー マフィン」シリーズと健康サポーター「ぽっぷん★るーるー」という2つの自社ブランドを展開している。
 FFマフラーは、太陽の光で発熱する糸を用い、同社独自の技術で空気の層ができやすいように編んだマフラーで、ふわふわと肌触りが良く、薄手でも温かい優れものだ。しかも、マフラーは表裏で違う色の糸を使った筒状のリバーシブルになっている。伸び縮みしやすいのも特徴のひとつで、広げてはおってショールにしたり、輪の中に体を通して背中を覆うように整えてボレロ風にしたりと多彩なアレンジが可能で、これ1枚でいろいろなおしゃれが楽しめるファッションアイテムとして好評だ。
 一方、ぽっぷん★るーるーは、厚手と薄手の部分を交互に編み込んでいく同社の特許技術で作られている。多くのサポーターが横方向にだけ伸びるのに対し、ぽっぷん★るーるーは縦方向にも大きく伸縮する点が一番の特徴だ。患部を固定するために締め付けが強過ぎたり、反対に弱くてずれ落ちたりする従来のサポーターで見られた問題をクリアし、圧迫感のない快適な着け心地を実現している。カラフルなタイプもあり、カジュアルに使える点も魅力だ。
 さらに、糸にはゲルマニウムを配合し、サポーター自体の着圧作用と合わせ、血行を良くしたり、筋肉のこりや痛みを緩和したりする効果も期待できる。「以前、ウォーキング大会に参加して40キロ近く歩きました。ひざが痛くならないか心配でしたが、このサポーターを着けて就寝したところ、翌朝も足取りは軽かったですよ」。飯田社長はこう笑い、自社製品の性能に太鼓判を押している。

切れた糸がヒントに

  機能性とファッション性を備えたこれら自社ブランドは、ともに「失敗」が開発の出発点となっている点も興味深い。例えば、FFマフラーは、切れた糸がヒントになった。「ウレタン素材を使った商品を製造していた際、何度も途中で切れてしまいました。通常ならば、そのまま捨ててしまうところですが、切れて縮んだ糸を触ると、肌触りがよく温かい。これをマフラーにできれば面白いと思ったんです」と飯田社長。その感触の再現を目標に、社内で編み方や素材の検討を重ね、14年前に開発に成功した。
 ぽっぷん★るーるーは、約10年前に取り組んだ有名スポーツ用品メーカーのヘアバンドの製造が誕生につながった。商品にメーカーのロゴをあしらうため、ライン状のデザインを織り込む必要があったが、なかなか納得のいく仕上がりにならず、社内にはテストサンプルが大量にあふれた。廃棄するのはしのびなく、飯田社長が使い道を思案していたところ、付き合いのある東京の卸売業者が縦にも伸びる柔軟性に驚き、サポーターとしての活用を提案したのが商品化のきっかけである。
 同社では販売を始めてからも商品のブラッシュアップに余念がなく、ぽっぷん★るーるーはひざ・ひじ用に加え、腰用を開発。FFマフラーもカラーを増やしてラメ素材を採用するなどラインアップの充実に力を入れており、今年からはコットン100%タイプ、赤ちゃんの抱っこや授乳時の目隠しにも使える大判タイプも新たに販売している。

ギフト・ショーに出展

FFマフラー は首都圏をはじめと した全国の東急ハン ズで販売され、注目 が高まっている

自信のある商品はできた−。それでも、下請けからの脱却を目指す多くのメーカーが直面するように、同社にとっても経験のない商品の販路開拓が大きな課題となった。大手通販サイトに出品したこともあるものの、マフラーの感触にしても、サポーターの縦横の伸縮性にしても、写真や文章だけではなかなか伝わらず、思ったような売り上げにはつながらなかったという。
進まない自社ブランド事業を何とかてこ入れしようと、同社が活用したのがISICOの活性化ファンドだ。平成21年度からぽっぷん★るーるー、平成25年度からFFマフラーに関して採択を受け、その助成金を生かし、東京ビッグサイトで開かれる国内最大規模の見本市「東京インターナショナル・ギフト・ショー」など、県内外の展示会に積極的に出展した。実際に触れてもらえれば商品の魅力は伝わる。出展を重ねるたびに販路は広がり、現在、ぽっぷん★るーるーは平和堂(滋賀県)が展開する全国のドラッグストアなどに並んでいる。

フランス・パリでも好評

 特に、FFマフラーは、東急ハンズ新宿店で同商品だけを集めた特設コーナーが設置されるなど、大きな効果が現れており、活性化ファンドの採択前後で売り上げは4倍以上に伸びている。
 販売先も国内だけにとどまらず、海外にも広がりを見せる。平成27年に台湾・台南のデパートで開かれたイベントに参加したところ、フランス・パリ在住の日本人デザイナーとの交流が生まれ、パリのセレクトショップで開く展示会に招かれた。「パリは遠く、最初は出展するか悩んだのですが、ISICOのサポートもあったので挑戦してみることにしました。すると、持っていったマフラーは売り切れ、評判も上々でした」と飯田社長。ファッションの本場で得た手応えは大きな自信になっており、同社では一層の海外展開も視野に入れている。
 ただ、自社ブランド事業が同社の売り上げに占める割合はまだ1割程度にとどまり、飯田社長は5割近くまで押し上げる青写真を描いている。国内、海外ともに販売戦略はまだ緒に就いたばかり。活性化ファンドの活用で歯車が回り始めたこれからが本番と言えそうだ。


FF マフラー マフィンの写真FFマフラー マフィン​
軽くてぽかぽか温かく、さまざまな着こなしもできるマフラー(3000円〜/税別)。カラーバリエーションは21種類と豊富で、ラメ入りのものもある。オーガニック製品に対する関心が高いヨーロッパへの海外展開も見据え、平成29年からはコットン100%のタイプ(3500 円/税別)も販売している。

成功のエッセンス
  • 「 失敗」をそのままで終わらせない
  • 商品化後も改善やラインアップの充実に注力
  • 海外進出などにも積極的にチャレンジ​

企業名

有限会社プランドル飯田​
住所津幡町太田ほ314-2​
TEL076-289-2498​​
事業内容刺繍・繊維製品の製造・販売​​
創業昭和53年12月​​