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消費者の健康に貢献できる商品を作りたい。 ~(株)金沢大地

印刷用ページを表示する更新日:2018年3月27日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2018.SPRING|VOL.04

CASE 01 金沢大地

井村辰二郎社長の写真消費者の健康に貢献できる
商品を作りたい。

【活性化ファンド採択メニュー】
平成26年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)

 

有機農産物で作った健康志向食品を消費者へ

米あめやジンジャーシロップ、米粉パンを新たに開発

チューブタイプで使いやすく

 金沢大地では金沢と能登を合わせて180ヘクタールの広大な農地で有機栽培された米や麦類、大豆、野菜などを主原料に農産加工食品を製造、販売している。当初はオーガニック大豆を使った手作り豆腐からスタート。自社での製造を中心に、伝統製法を継承する老舗の醤油蔵や味噌蔵、有機JAS認定を受けた工場とも協力し、現在では80品目を超える商品をそろえている。
 ラインアップの拡充には、活性化ファンドの助成金も役立てており、その一つが有機米と有機大麦の麦芽だけを原料に作った「オーガニック米あめ」である。とろりとした水飴のような食感で、そのまま食べるのはもちろん、砂糖に代わる調味料としても重宝する。計量スプーンに注ぎやすく、パンにも塗りやすいチューブタイプの容器を採用。最後まで残さず使い切れるようになっている。
砂糖を使わず米あめで作った「ジンジャーシロップ」の写真 続いて開発したのがオーガニック米あめと高知県産生姜のしぼり汁を原料とする「ジンジャーシロップ」だ。水やお湯で割って飲んだり、かき氷にかけたりといろいろな使い方ができる。
 米あめは平成27年4月に販売をスタート。ジンジャーシロップは同年11月にプレーンタイプを発売し、翌年6月、イチゴ味とブルーベリー味を新たに加えた。いずれも近江町市場にある金沢大地の直営店「たなつや」や同社ネットショップのほか、全国各地の百貨店やスーパー、自然食品店などで販売し、毎年着実に売り上げを伸ばしている。

小麦アレルギーの人も安心

米粉で作った「米粉パン」の写真 活性化ファンドを活用した商品開発はこれにとどまらず、平成28年6月には「井村さんのお米パン」を発売した。小麦ではなく米粉を使っており、オーガニック米あめと能登の塩も練り込んでいる。ふんわり、しっとり、もちっとした食感で、和の総菜やみそ汁ともよく合う味だ。
 米粉パンと一口に言っても、その多くは小麦グルテンを混ぜて作られているが、金沢大地の商品は文字通り米粉100%で作られているので、小麦アレルギーの人でも安心して食べられる。
 「イースト菌は培養する際に化学肥料を使うこともある」(井村辰二郎社長)という理由から発酵には天然酵母の力を利用している。一般的なパンは小麦グルテンとイースト菌の働きによってふっくらと膨らむため、これらを使わず、おいしいパンにするために、米粉の粗さや材料の混ぜ方を何パターンも試し、うまく発酵するよう工夫した。
 米粉パンは安全・安心な食品の宅配サービスを手がける「オルター」(大阪府)が販売しており、多くのリピーターを獲得する人気商品となっている。

社長の手作り弁当でプレゼン

「米粉パン」の製造風景写真 これらの商品を開発したきっかけについて井村社長は、「農場での生産の主力が有機米と有機大麦ですから、これらを使って何か作れないかなと考えました」と話す。
 さらに、穀物や野菜、海藻などを中心とした食事を取るマクロビオティックなど、健康を意識した食事法やダイエットを実践する人の中には精製された白砂糖やグルテンの摂取を好まない人もいることから、砂糖の代わりに使えるものやグルテンを含まない商品にニーズがあると考え、活性化ファンドの助成金を活用し、試作、開発を進めた。発売後は、アグリフードEXPO、オーガニックライフスタイルEXPOといった展示会に出展し、販路拡大に努めた。
 中でも販路拡大に苦労したのは米あめだ。米あめは、江戸時代に母乳が出ず困っていた母親たちが我が子に与えたというほど栄養価が高く、ミネラル豊富な食べ物で、金沢銘菓の一つとしても知られるが、全国的には認知度が低く、販促には使い方の提案から始めなければならなかった。
 例えば、井村社長は三越伊勢丹での弁当企画に向けての商談に、自ら米あめを使った大学イモやきんぴらごぼう、卵焼きなどを作って持参。これが好評を博し、現在も米あめとジンジャーシロップのセットがお中元用商材として採用されている。

将来はアメリカ市場へ

 「有機米を使った商品開発にこれからも取り組みたい」と商品ラインアップの拡充に意欲を見せる井村社長が、今後視野に入れるのが海外市場への販路拡大だ。金沢大地では平成21年から海外営業に取り組んでおり、味噌や醤油といった商品をヨーロッパやアメリカ、アジアの国々で販売している。
 活性化ファンドで開発した商品の中でも、アメリカ市場で有望と考えているのが米あめだ。アメリカでは肥満が社会問題化しているため、砂糖の代わりとなる調味料としてアピールすればダイエットに取り組む人やヘルシー志向の人の支持を集められると考えている。
 アメリカ市場への本格的なチャレンジはこれからだが、金沢大地の名前が国内だけでなく、海外でも認知度を上げていくことを期待したい。


オーガニック米あめの写真オーガニック米あめ​

有機米と有機大麦麦芽で作った「オーガニック米あめ」(200グラム/ 550円・税別)。
写真は近江町市場にある金沢大地の直営店「たなつや」で人気のソフトクリーム(400円・税込み)。
有機大豆の豆乳を原料にしていて、米あめや炒り大豆をトッピングする。

成功のエッセンス
  • 安全・安心な有機農産物で食品加工
  • 消費者の健康志向に応える商品開発
  • 使い方を提案してバイヤーにPR​

企業名

株式会社金沢大地​
住所金沢市八田町東9番地
TEL076-257-8818
事業内容農産加工品の製造、販売​
設立平成14年3月​