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きっかけは出荷できない卵。加工品がブランド力アップに ~(株)サンライフ

印刷用ページを表示する更新日:2018年3月27日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2018.SPRING|VOL.04

CASE 02 サンライフ

林義雄社長の写真能登で育った地鶏だから
その卵と肉で作った加工品はおいしいのです。

【活性化ファンド採択メニュー】
平成22年度 農商工連携事業(食品加工ビジネスモデル構築支援)
平成25年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)​

きっかけは出荷できない卵。加工品がブランド力アップに

プリンやカステラなどがロングセラー。良質な地鶏だから可能なおいしさ

卵の約3割は取り除く

気味がつまめるほど弾力がある生食用の卵の写真

 能登町の特産品として定着したブランド地鶏「能登地どり」を飼育・販売するサンライフ。その卵や肉を使った菓子、レトルト食品が口コミで評判を呼び、リピーターを着実に増やしている。
 同社では、平成22年に活性化ファンドを活用して加工品を開発。プリンやカステラなどの菓子は、とれたての卵をたっぷり使い、しっとりしていて粘りのある生地と濃厚な味わいに仕上げている。また、レトルトの手羽カレーは、スパイシーで深みのあるルーに、コラーゲンが豊富な手羽元と手羽中を入れた。これらの菓子やレトルト食品は、8年経った今でも売れ続ける息の長いヒット商品となっている。
 加工品開発のきっかけは、出荷できない生食用卵の再利用だった。能登地どりのブランドを守るには卵の見栄えが大事で、割れているものはもちろん、見栄えが悪かったり、大きすぎたりする卵は取り除いた。そのため、1日に採れる約600個のうち、約3割は出荷できなかったという。菓子店などに卸すことも考えたが、自社で加工品の製造に踏み切った。​

一口サイズにして味を多彩に

能登地どりかすてら 平成25年には、再び活性化ファンドを活用し、商品のバリエーションを増やすことに取り組んだ。同社の菓子は防腐剤を一切使用しておらず、賞味期限が短いことが悩みの種だったため、日持ちのする焼き菓子に着目。クッキーやサブレを開発し、サクサクとした口当たりの良さと優しい甘さが好評となった。中でも、完成すると能登半島の形になる「のとドンサブレ」は、珍しい土産として観光客から人気である。
 また、若い女性には「少しずつ多くの種類を食べたい」というニーズがあり、それに合わせた商品改良も行った。これまで同社のカステラは、縦横約10センチ、高さ約8センチで、食べる際は適度な厚さに切り分ける必要があった。そこで一口サイズにしたタイプを作り、小分けにして包装。同様に一口サイズのパウンドケーキも用意した。さらに、カステラは5種類(プレーン、塩、あずき、抹茶、チョコ)、パウンドケーキは8種類(たまご、金時いも、わかめ、あずき、塩、かぼちゃ、ぶどう、いちご)と、味のバリエーションを増やした。

健康第一で地鶏を飼育

能登町にある養鶏場「能登鳥の里」の写真 ところで、能登地どりは、「能登に地鶏はいないのか」という観光客の一言をきっかけに、平成19年から同社の林義雄社長が飼育に乗り出した。石川県には元々、地鶏はおらず、岐阜県から在来種のヒナを譲り受けた。ただ、地鶏と名乗るには血統のほか、飼育期間が80日以上などの要件を満たす必要があり、そういった基準をクリアして商標も取得した。
 林社長は「おいしい卵や肉を提供するには、鶏の健康が第一」と考え、飼育法や飼料を工夫している。まず、鶏は屋外と同じように走り回れる広さの鶏舎で平飼いしている。また、木酢液や炭などを自家配合した飼料やミネラルたっぷりの海洋深層水を飲ませるなど、エサにも気を配っている。甘みが強くコクがある卵は、金沢市を中心とした石川県内のスーパーマーケットや農産物直売所で販売しており、ジューシーで旨みが豊かな鶏肉は関東のレストランなどからの引き合いが増えているほか、インターネット通販でも、売れ行きが好調だという。

“能登の土産”を前面に

 活性化ファンドの利用をきっかけに、卵や鶏肉、加工品の販路拡大を求め、首都圏の有名百貨店の催事にも出店した。「卸値などの面で折り合いがつかず、売り場での取り扱いまでには至らなかったが、『どういったものが売れるのか』といったトレンドを勉強できた。今でも知り合ったバイヤーから商談の連絡がある」と話す林社長。東京・銀座にある石川県のアンテナショップ「いしかわ百万石物語・江戸本店」にパウンドケーキを置いているものの、現在、県外への販売はインターネットが中心になっている。
 一方、力を入れているのが、県内の販路開拓だ。金沢市中央卸売市場近くで「市場のぱんや 金澤こっぺ」を出店。能登地どりの卵、低温殺菌の牛乳、国産小麦で作ったこっぺぱんを使い、あんマーガリンやビーフカレー、ソーセージなどの具をはさむスタイルが人気を呼んでいるという。また、“ 能登に来なければ買えない土産”というコンセプトを打ち出し、プレミア感を演出。林社長自ら先頭に立って商品を売り込み、狼煙や高松といった能登方面の道の駅などで商品を取り扱ってもらっている。

循環型経営に転換を

 このように同社は多角経営を進めており、平成28年秋からは塩の販売も始めた。塩作りに乗り出したのは循環型経営の一環だという。同社は食品スーパーをはじめ、産業廃棄物処理、堆肥の製造販売を手掛けており、建設業、農業の関連会社を持つ。建設現場などで集められた木くずは、塩を乾燥させる燃料として使うほか、鶏舎の床に敷いた後に堆肥としてリサイクルする。林社長は「地鶏の加工品の開発をきっかけに、資源を無駄なく有効に活用することを考えるようになった。能登の地から新しい風を吹かせたい」と意気込んでいる。


能登地どりかすてらの写真能登地どりかすてら

1本700円(税込み)。「プレーン」「あずき」「抹茶」の3タイプを用意している。
能登地どりの産み立ての自然卵をたっぷり使った。
しっとり、もっちりした食感と、黄身のコクと風味が感じられるのが特徴。
食品添加物は一切使用していない。​

成功のエッセンス
  • 規格外の卵を有効活用
  • 加工品を通じて地鶏のブランド力をアップ
  • 消費者のニーズをつかんで改良する​

企業名

株式会社サンライフ​
住所能登町字布浦コ字21番地1
TEL0768-72-2125
事業内容スーパーマーケット、菓子の製造・販売など​
創業平成4年9月​