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桜がぱっと花開く九谷焼の小皿 デザイナーの感性生かし商品化 ~エイジデザイン(株)

印刷用ページを表示する更新日:2018年3月27日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2018.SPRING|VOL.04

CASE 05 エイジデザイン

稲垣揚平社長とデザインを手がけた堀美千代さんの写真。デザインを経営資源として活用してほしい。​

【活性化ファンド採択メニュー】
平成24年度 産業化資源活用事業(小規模企業支援)
平成27年度 産業化資源活用事業(商品魅力向上支援)​

桜がぱっと花開く九谷焼の小皿 デザイナーの感性生かし商品化

獲得した販路を生かしデザイン導入企業をサポート

今期の売り上げは過去最高

 エイジデザインでは、工業製品をはじめとするプロダクトデザインからパンフレットやロゴなどのグラフィックデザインまで、幅広いフィールドでデザイン業務を手がけている。そんな同社が初のオリジナル商品として、平成24年に開発したのが「hiracle(ひらくる)さくら小皿」だ。
 九谷焼の丸い小皿の中に窪みをつけた形状で、醤油やオリーブオイルなどを注ぐと、液面が桜の花の形に浮かび上がるという趣向が凝らされている。九谷焼と言えば上絵が特徴だが、あえて絵付けを施さず、独自のアイデアによって新たな魅力を引き出した。
 その後、さくら小皿にぴったりと収まる形で薬味皿として使える「さくら豆皿」、桜の花びらをかたどった「さくら箸置き」とラインアップを拡充。平成27年度には、スープなどをすくうほか、一口サイズの料理を盛り付ける器としても使える「さくらレンゲ皿」、レンゲ皿の受け皿や醤油皿などとして使う「さくら花びら皿」を商品化した。
 さくら小皿、さくら豆皿を中心に売れ行きは好調で、今年度は過去最高の売り上げを見込んでおり、生産が追いつかない状況が続いている。

IT駆使して形を検証

制作風景写真1 試作開発や各種展示会などへの出展、販促用のカタログ制作などには、活性化ファンドの助成金を活用した。
開発にあたっては、3Dで製品の形状を作成するモデリングソフトを駆使。同社ではこのソフトを使って、窪みの形状や桜の花の見え方をコンピューター上でシミュレーションすることで、ローコストでスピーディーな商品開発に成功した。
 さらに、近年では3Dプリンターを導入。モデリングソフトで作成したデータを使って、3Dプリンターで試作品を作り、サイズ感や口当たり、手にしたときの感触などを確かめ、開発期間やコストの低減、精度の向上につなげている。
 一方、販路開拓に向けては東京インターナショナル・ギフト・ショー、rooms(ルームス)、インテリア ライフスタイルといった展示会に毎年のように出展。その結果、西武や伊勢丹、大丸、松屋といった百貨店のほか、セレクトショップ、羽田空港内のショップなどに販路が広がり、アメリカや台湾、中国、オーストラリア、マレーシア、イタリアなど海外への販売実績も増えている。

販路と直接つながりを

制作風景写真2 ところで、デザイン会社である同社がものづくりに取り組んだのはなぜだろうか。その理由について稲垣揚平社長は次のように話す。
 「私たちは、お客様のニーズに添って商品をデザイン、開発します。しかし、デザイン性に優れた商品ならばすぐに売れるのかと言えば決してそうではなく、その商品にふさわしい販路が重要です。販路がないばかりに商品が売れず、デザインへの投資が回収できないとなれば、せっかく開発した商品も製造が打ち切られ、デザイナーに新たな依頼をすることもないでしょう。それではお互いにとってマイナスです。そこで、私たちデザイナーが販路と直接つながっていれば、開発した商品をスピーディーに市場に投入できると考えました。そのために企画したのがhiracleシリーズなのです。もの余りの時代の今、作るだけでは十分とは言えません。いかに流通させることができるかに勝負が掛かっているのです」。
 つまり、同社にとってオリジナル商品とは、目的ではなく、あくまでも販売に必要なネットワークを構築するための手段というわけだ。そして、さくら小皿の発売からおよそ6年がたち、稲垣社長の当初の狙い通りに百貨店や問屋、商社などへと、販路が着々と広がっている。

バイヤーと企業をマッチング

 実際、稲垣社長はhiracleシリーズの販促活動で得たネットワークを、メーカーから依頼を受けてエイジデザインが開発に携わった商品の流通にも生かしている。
例えば、同社が展示会に出展する際には、hiracleシリーズだけでなく、依頼されて開発した商品も展示。付き合いのあるバイヤーらに案内状を送るなど、PRに努めており、取引につながるケースもある。
 昨年9月、ISICOの支援を受けてギフト・ショーに出展し、さくら小皿の大口受注を獲得した際には、発注元の大手バイヤーが窯元を視察するのに合わせて、県内のものづくり企業数社の視察をコーディネート。バイヤーとものづくり企業を直接つなぐ機会も演出する。確かに、デザイナーがこうした役割を果たすことができれば、販路を持たないものづくり企業にとっては心強いサポートと言えるだろう。
 「hiracleの成果はデザイン戦略によって得られたもの。ものづくり企業には、ぜひデザインを経営資源として活用してほしい」と話す稲垣社長。今後もhiracle シリーズをさらに進化させると同時に、この実績をアピールして、ものづくりにデザインを取り入れる企業を増やしていきたいとしている。


「さくら小皿/さくら豆皿」の写真さくら小皿/さくら豆皿​

調味料などを注ぐと桜の形が現れるさくら小皿(1枚1,728円/税込み)と薬味などを入れるさくら豆皿(5枚4,860円/税込み)。
それぞれホワイト、ピンク、ブルーの3色を展開する。
豆皿が小皿の中にすっぽりと収まるデザインになっていることもあってセット販売が人気。
自家用としてはもちろん、結婚式の引き出物など、ギフト用に買い求める人も多い。

成功のエッセンス
  • デザイン戦略を導入した商品プロデュース
  • オリジナル商品を販路開拓の手段として活用
  • 販路を生かし、ものづくり企業の拡販をサポート

企業名

エイジデザイン株式会社​
住所金沢市広坂1-2-32 北山堂ビル4F
TEL076-222-0023
事業内容工業製品・クラフト・産業機械のデザイン、グラフィックデザインなど
創業平成17年1月​