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地元の恵みを生かした菓子自社ブランド「古都美(ことみ)」で展開 ~タキサン製菓(株)

印刷用ページを表示する更新日:2019年3月12日更新

ViVO いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集  いしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)事例集

2019.SPRING|VOL.06

CASE 01 タキサン製菓

瀧口敬介社長の写真喜んでもらえれば、
それが作り手の
エネルギーになります。

【活性化ファンド採択メニュー】
2012年度 産業化資源活用事業(商品開発・事業化支援)

地元の恵みを生かした菓子 自社ブランド「古都美(ことみ)」で展開

金沢市の中心部に立地するショップ&カフェが盛況

女性目線を重視して開発

自社ブランドの菓子を販売するショップの写真 全国各地の特産品を使用した土産菓子をOEMで製造するタキサン製菓では、「古都美」という自社ブランドを立ち上げ、オリジナル菓子の製造に乗り出した。2014年10月には金沢市内にショップとカフェを併設した店舗をオープンさせ、販促やブランドの認知度向上に活用している。菓子やパッケージの開発、ホームページの制作などには活性化ファンド事業の後押しを受けた。
 古都美ブランドの菓子の中でも一番人気となっているのが「古都の菓」である。口に入れるとほろほろと崩れて溶ける新食感のクッキーで、金沢の醤油や味噌、能登大納言、加賀棒茶など6種類の味がある。
 また、白あんを練り込んで作った和風ケーキ「ことみん」も好評だ。能登産の紫いもや金沢・湯涌産のゆずなど5つの味をそろえ、おいしさはもちろん、郷土玩具「加賀八幡起上(おきあが)り」をあしらったかわいらしいパッケージも人気を集めている。
 このほかにも、パウンドケーキや和風プチダクワーズ、チョコレートなどがあり、すべてに共通するのが地元の食材をふんだんに取り入れた点だ。製造時に砂糖の使用をできるだけ控えるなど、食材のおいしさを十分に感じられるよう配慮。ネーミングやパッケージデザイン、菓子のサイズは主要ターゲットとなる女性の目線を大切にしている。

毎年40~70%の売上増

大きな窓からしいのき迎賓館や金沢城の石垣、金沢21世紀美術館を見渡せるカフェの写真 店舗は1階が「古都美」ブランドの菓子を販売するショップ、2階がカフェとなっている。しいのき迎賓館や金沢城の石垣、金沢21世紀美術館を見渡せる絶好のロケーションが自慢のカフェでは、季節のロールケーキやパフェ、チーズタルトといった手作りスイーツや加賀棒茶などを提供する。広告をほとんど出さず、当初は苦戦したが、北陸新幹線開業以降は土日に行列ができるほど客足が伸び、地元客はもちろん観光客の中にもリピーターが付くほどの人気ぶりだ。
 カフェでは、利用客にブランドを知ってもらおうと「古都の菓」などを試食として提供し、菓子の購入につなげている。また、昨年からテイクアウト用にショップで販売し始めた「加賀棒ほうじ茶ソフトクリーム」は、多い日には200個以上売れる上、SNSに投稿する人も多く、ブランドや店舗の認知度を上げる広告塔の役割を果たしている。
 ショップとカフェの売り上げは右肩上がりで、前年に比べ毎年40~70%も増加し、今では同社全体の5%を占めるまでになった。伸びをけん引しているのは菓子の販売で、瀧口敬介社長はこの比率をさらに高めていきたいと意欲を燃やす。

消費者の声を基に改良

 同社がこうした取り組みを始めた理由は3つある。1つ目は自社ブランドに挑戦したいとの思いだ。同社はもともと売り上げの100%をOEMが占める。もちろん、それもやりがいのある仕事だが、「菓子メーカーとして自分たちの思いを込めた商品を作ってみたい」(瀧口社長)との考えが強くなり、活性化ファンド事業への申請が絶好の機会となった。
 2つ目はショップやカフェで得た消費者の声を生かし、より魅力的なOEMの商品を生み出すことだ。OEMでの具体化はまだこれからだが、すでに自社ブランド商品の改良につなげており、例えばパウンドケーキは食べやすく配りやすいようにとカットして個包装に変更した。
 3つ目は社員のモチベーションアップだ。自分たちのブランドとして菓子を開発したり、ショップやカフェで消費者の笑顔に接したりすることが、工場に勤務する社員にとって新たなやりがいになってほしいと期待しているのだ。

異業種とも連携進む

日本酒入りチョコレート「古都の雫」と落雁のような新食感のチョコレート菓子「KOTOLATE」の写真 自社ブランドの構築から、これまで接点のない異業種との出会いも生まれている。その成果として今年2月に発売したのが、日本酒入りのボンボン・ショコラ「古都の雫」である。デザインコンサルティングを手がけるマリブデザインファクトリー(小松市)、小堀酒造店(白山市)、加越(小松市)、鹿野酒造(加賀市)が連携する商品開発に、ISICOのコーディネートによってタキサン製菓が参画した。瀧口社長は「これまで使ったことのない素材と出会い、理解が深まると、新商品につながるインスピレーションが得られる」と話し、今後も県内の生産者らとの連携を視野に入れる。
 一方で、素材の味を隠してしまう砂糖の代わりに甘酒を使うなど、おいしさだけでなく、「健康」をキーワードにした商品の開発も検討する。
 「人に喜んでもらうことが私たち作り手にとってエネルギーになる。これからもお客さんがほっとできて、笑顔になるような菓子を作りたい」と話す瀧口社長。「古都美」ブランドがどんな成長を遂げるのか、これからの同社の奮闘に注目したい。


古都の菓の写真古都の菓

口に入れるとほろりと溶けるクッキー。金沢大野の醤油と白味噌、加賀のほうじ棒茶、能登の紫いも、能登の梅、能登大納言の6つの味を楽しめる。キューブ状の形は金沢城の石垣を、色は兼六園の梅や苔など金沢の名所をイメージした(12個入り/ 1,188円/税込み)。直営店のほか、JR金沢駅構内の「おみやげ処 金沢」、ひがし茶屋街の「東山ギャラリーエッジ」でも販売する。​

成功のエッセンス
  • OEMで培ったノウハウを基に自社ブランドを展開
  • 石川県の特産品をふんだんに使って差別化
  • 販売と情報発信に好立地の店舗を活用

企業名

タキサン製菓株式会社​
住所小松市若杉町ソ100番地​
TEL0761-23-5455​
事業内容菓子製造販売
設立1999年1月​